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令和6年(2024年)問16|開発許可

都市計画法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、この問において条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

1.市街化区域内において行う、医療法に規定する病院を建築するための1,000㎡の開発行為については、法第29条に基づく都道府県知事の許可を得る必要がある。

2.市街化区域内において行う、開発行為を伴わない建築物の建築で、当該建築物の床面積が1,000㎡以上のものについては、法第29条に基づく都道府県知事の許可を得る必要がある。

3.市街化調整区域内において行う、都市計画事業の施行のための開発行為については、法第29条に基づく都道府県知事の許可を得る必要がある。

4.法第29条に基づく許可を受けた者は、当該許可に係る土地についての一定の事項を開発登録簿に登録しなければならない。


【答え:1】


1.市街化区域内において行う、医療法に規定する病院を建築するための1,000㎡の開発行為については、法第29条に基づく都道府県知事の許可を得る必要がある。

1・・・ 正しい

市街化区域内で行う開発行為については、開発面積が1000㎡以上であれば、原則、開発許可(都道府県知事の許可)が必要です。このルールは、社会福祉施設、医療施設(病院)、学校であっても例外ではなく適用されます。そのため、市街化区域内において行う、医療法に規定する病院を建築するための1,000㎡の開発行為については、都道府県知事の許可(開発許可)を得る必要があります。


2.市街化区域内において行う、開発行為を伴わない建築物の建築で、当該建築物の床面積が1,000㎡以上のものについては、法第29条に基づく都道府県知事の許可を得る必要がある。

2・・・ 誤り

市街化区域内で行う開発行為については、開発面積が1000㎡以上であれば、原則、開発許可(都道府県知事の許可)が必要です。

「開発行為を伴わない建築物の建築」については、開発許可の対象外なので、開発許可は不要です。よって、本肢は誤りです。

開発許可は、土地に関する開発行為が対象です。
本肢のように「建物建築」については、開発許可の対象外です。


3.市街化調整区域内において行う、都市計画事業の施行のための開発行為については、法第29条に基づく都道府県知事の許可を得る必要がある。

3・・・ 誤り

市街化調整区域内において行う開発行為については、原則、面積に関係なく開発許可が必要です。

ただし、例外として、市街地再開発事業、都市計画事業、土地区画整理事業等の事業の施行として行う開発行為は、規模(面積の大小)にかかわらず開発許可が不要です(都市計画法29条1項4号~8号)。

開発許可不要となるその他の事項

kaihatukyoka-huyou

※ 医療施設社会福祉施設(老人ホームや介護施設)、学校(小中高、大学)、庁舎建設ための開発行為は例外ではない

※ 国や都道府県等が行う開発行為は、都道府県知事との協議が成立することで開発許可があったとみなされる  (市町村が行う開発行為はこの協議の特例は適用されない)


4.法第29条に基づく許可を受けた者は、当該許可に係る土地についての一定の事項を開発登録簿に登録しなければならない。

4・・・ 誤り

問題文では、「許可を受けた者(開発業者など)」が開発登録簿に登録する義務があるとされていますが、これは誤りです。

正しい義務者は、開発許可を出した都道府県知事です。

都市計画法第47条によると、都道府県知事は開発許可をしたときに、以下の内容を開発登録簿に登録する必要があります。

  1. 許可の年月日
  2. 予定される建築物の用途(例:住宅、店舗など)
  3. 公共施設(道路、公園など)の種類、位置、区域
  4. その他の開発許可の内容
  5. 都市計画法第41条に基づく制限の内容(許可の内容や目的に反する開発行為や建築が行われないように、利用や建築の制限を課す内容)
  6. その他、国土交通省令で定める事項

このように、登録を行う責任は「許可を受けた者」ではなく「許可をした都道府県知事」にあるため、問題文は誤りと判断できます。

また、市街化区域内の土地についても同様に、予定される建築物の用途や構造、設備などは都道府県知事が開発登録簿に登録する義務があります。
 


令和6年・2024年の宅建過去問

問1
法律関係
問2
委任契約
問3
共有
問4
民法総合
問5
債務不履行
問6
地上権
問7
民法総合
問8
民法の条文
問9
承諾
問10
契約不適合責任
問11
借地権
問12
借家権(建物賃貸借契約)
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
問17
建築基準法(建築確認)
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
所得税(住宅ローン控除)
問24
不動産取得税
問25
不動産鑑定評価基準
問26
重要事項説明
問27
営業保証金
問28
報酬計算
問29
宅建士
問30
クーリングオフ
問31
監督処分
問32
媒介契約
問33
広告
問34
手付金等の保全措置
問35
契約書(37条書面)
問36
保証協会
問37
35条書面
問38
免許
問39
案内所
問40
契約書(37条書面)
問41
35条書面
問42
死に関する告知
問43
宅建士
問44
契約書(37条書面)
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
問49
土地
問50
建物