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令和6年(2024年)問26|重要事項説明

宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

ア ガス配管設備等に関して、住宅の売買後においても宅地内のガスの配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売会社にあるものとする場合には、その旨を説明しなければならない。

イ 重要事項の説明を行う宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなくてもよいが、書面に記名する宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなければならない。

ウ 区分所有建物である事務所ビルの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあっては、その商号又は名称)及び住所(法人にあっては、その主たる事務所の所在地)を説明しなければならない。

エ 区分所有建物である中古マンションの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額について説明しなければならない。

1.一つ

2.二つ

3.三つ

4.四つ


【答え:3】


ア ガス配管設備等に関して、住宅の売買後においても宅地内のガスの配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売会社にあるものとする場合には、その旨を説明しなければならない。

ア・・・ 正しい

宅地建物取引業法第35条では、不動産を購入する人が安心して取引できるように、重要な情報を事前に説明することが義務付けられています。この説明の中には、水道・電気・ガス・排水などの設備の状況についても含まれます。

具体的には、以下の点が説明の対象になります。

  1. 設備の整備状況
    水道、電気、ガス、排水が整っているかどうか。
  2. 特別な負担の有無
    設備が未整備の場合は、整備の予定や費用負担があるかどうか。

そして、住宅のガス配管については、プロパンガス会社が所有権を持つケースがあります。この場合、プロパンガス業者は、新たにガスを供給する際に、無料で配管工事を行うことが多いです。しかし、その工事費用はガス料金に上乗せして回収します。

また、将来、別のガス会社に変更しようとしたときに、現在のガス会社が配管の所有権を主張して、買取費用を請求する可能性があります。

こうした状況があるため、不動産を売る側は、「ガス配管の所有権はプロパンガス会社にある」ことを購入者に説明しなければなりません。これにより、後々トラブルを避けることができます。

 


イ 重要事項の説明を行う宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなくてもよいが、書面に記名する宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなければならない。

イ・・・ 誤り

宅地建物取引業法では、重要事項の説明や書面への記名を行う宅地建物取引士に「専任」である必要はありません。つまり、専任の宅地建物取引士だけができる特別な業務は存在しないということです。

具体的には、以下の業務は「専任」でなくても可能です。

  1. (35条書面の説明)
  2. 35条書面への記名押印
  3. 契約内容を記載した書面(37条書面)への記名押印

これらの業務は、その不動産業者に所属している宅地建物取引士であれば、パートやアルバイトでも行うことができます。したがって、「専任の宅地建物取引士でなければ記名押印できない」という考えは誤りです。

 


ウ 区分所有建物である事務所ビルの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあっては、その商号又は名称)及び住所(法人にあっては、その主たる事務所の所在地)を説明しなければならない。

ウ・・・ 正しい

区分所有建物(マンションや事務所ビルなど)の売買や賃貸借を行うとき、建物全体やその敷地が管理会社に管理を委託されている場合には、「管理を受託している人や会社の情報」を説明しなければなりません。

具体的には、「個人の場合、氏名と住所」「法人の場合、商号(会社名)と本社所在地」を説明します。

そして、管理会社が国に登録されている「マンション管理業者」であるときは、その登録番号も記載する必要があります。

 


エ 区分所有建物である中古マンションの一室の売買の媒介を行う場合、当該1棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額について説明しなければならない。

エ・・・ 正しい

区分所有建物(マンションなど)の売買では、その建物を維持・修繕するための修繕積立金に関する情報がとても重要です。もし、建物の管理規約に「修繕積立金を積み立てる」と定められている場合は、以下の内容を買主に説明しなければなりません。

  1. 規約の内容:修繕積立金について、どのように積み立てるかのルールや仕組み。
  2. 積立金の現在の額:すでに積み立てられている金額。

さらに、修繕積立金に滞納がある場合は、その金額についても説明が必要です。

この説明が必要なのは、修繕積立金が足りなくなると、急な修繕費用をまかなうために特別負担金(臨時の追加費用)を徴収される可能性があるからです。買主にとっては将来の負担を予測するために重要な情報となります。

つまり、マンションの維持管理や修繕に関する資金状況を事前にしっかり伝えることで、買主が安心して購入を検討できるようにするためのルールです。

 


令和6年・2024年の宅建過去問

問1
法律関係
問2
委任契約
問3
共有
問4
民法総合
問5
債務不履行
問6
地上権
問7
民法総合
問8
民法の条文
問9
承諾
問10
契約不適合責任
問11
借地権
問12
借家権(建物賃貸借契約)
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
問17
建築基準法(建築確認)
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
所得税(住宅ローン控除)
問24
不動産取得税
問25
不動産鑑定評価基準
問26
重要事項説明
問27
営業保証金
問28
報酬計算
問29
宅建士
問30
クーリングオフ
問31
監督処分
問32
媒介契約
問33
広告
問34
手付金等の保全措置
問35
契約書(37条書面)
問36
保証協会
問37
35条書面
問38
免許
問39
案内所
問40
契約書(37条書面)
問41
35条書面
問42
死に関する告知
問43
宅建士
問44
契約書(37条書面)
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
問49
土地
問50
建物