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令和6年(2024年)問33|広告

宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。

1.宅地の販売に関する広告をインターネットで行った場合において、当該宅地の売買契約が成立した後も継続して広告を掲載していた場合、当該広告を掲載し続けることは法第32条の規定に違反する。

2.建物の所有者と賃貸借契約を締結し、当該建物を自らが貸主となって貸借(転貸)するための広告をする場合においては、自らが契約の当事者となって貸借を成立させる旨を当該広告に明示しなくても、法第34条の規定に違反しない。

3.造成工事に必要とされる法令に基づく許可等の処分があった宅地について、工事完了前に当該宅地の販売に関する広告をするときは、法令に基づく許可等の処分があったことを明示すれば、取引態様の別について明示する必要はない。

4.複数の区画がある分譲地の売買について、数回に分けて広告をする場合は、最初に行う広告だけではなく、次回以降の広告の都度取引態様の別を明示しなければならない。


【答え:3】


1.宅地の販売に関する広告をインターネットで行った場合において、当該宅地の売買契約が成立した後も継続して広告を掲載していた場合、当該広告を掲載し続けることは法第32条の規定に違反する。

1・・・ 正しい

宅建業法第32条では、「誇大広告」を禁止しています。これは、実際には売るつもりのない物件や存在しない物件を広告に出して、消費者を騙す行為を防ぐためのルールです。

たとえば、インターネットで土地の広告を出して、その土地がすでに売れたのに広告を続けると、「実際には取引できない物件の広告」となり、違法です。このような広告は「おとり広告」と呼ばれ、宅建業法で禁止されています。物件が売れたら、広告はすぐに取り下げる必要があります。よって、「当該宅地の売買契約が成立した後も継続して広告を掲載していた場合、当該広告を掲載し続けることは法第32条の規定に違反する」という記述は正しいです。

ちなみに、広告の手段は、チラシやテレビ、ラジオ、インターネットなど、どの媒体であっても関係ありません。どの方法であっても、取引できない物件を広告に出し続けることは違反になります。

 


2.建物の所有者と賃貸借契約を締結し、当該建物を自らが貸主となって貸借(転貸)するための広告をする場合においては、自らが契約の当事者となって貸借を成立させる旨を当該広告に明示しなくても、法第34条の規定に違反しない。

2・・・ 正しい

この問題は、「建物を借りてから、さらに他の人に貸す場合(転貸)」の広告についてのルールを問うものです。

宅建業法第34条では、広告に「誰が取引の相手になるのか」をはっきり書く義務があります。しかし、この義務は宅建業者が第三者同士の取引を仲介する場合に適用されるルールです。

本肢は、自分がすでに建物を借りていて、その建物をさらに他の人に貸す場合は、「自分が直接貸主になる」取引です。このような場合は、宅建業法の対象外となります。

したがって、広告に「貸主は自分です」と明記しなくても、法律違反にはなりません。

 


3.造成工事に必要とされる法令に基づく許可等の処分があった宅地について、工事完了前に当該宅地の販売に関する広告をするときは、法令に基づく許可等の処分があったことを明示すれば、取引態様の別について明示する必要はない。

3・・・ 誤り

宅地造成工事に必要な許可を受けた土地について、工事が終わる前に広告を出すことは許されています。しかし、この場合でも 取引態様の別 を必ず明示しなければなりません。

取引態様の別とは?

  • 売主:自分(業者)が売り手となる場合
  • 代理:売り手や買い手の代理として契約を結ぶ場合
  • 媒介(仲介):契約をまとめる手伝いをする場合

宅地建物取引業法34条1項では、広告を出すときは取引態様を明示することが義務付けられています。許可を受けているかどうかに関係なく、このルールに例外はありません。

したがって、許可があったことを示せば「取引態様の別」を書かなくてよいというのは誤りです。必ず記載する必要があります。

 


4.複数の区画がある分譲地の売買について、数回に分けて広告をする場合は、最初に行う広告だけではなく、次回以降の広告の都度取引態様の別を明示しなければならない。

4・・・ 正しい

広告を出すときは、その都度「取引態様の別」を必ず表示しなければなりません。

つまり、広告出すたびに、毎回「取引態様の別」を必ず表示する必要があります。

これは、広告は1回だけ見る人もいるので、どの広告を見ても取引態様が分かるようにするためです。

宅建業者は、土地や建物の売買などに関する広告を出すときに、自分が契約の相手方となるのか、代理人なのか、仲介をするのかを明示する義務があります。このルールには例外はありません(宅建業法34条1項)。

よって、本肢は正しいです。

 


令和6年・2024年の宅建過去問

問1
法律関係
問2
委任契約
問3
共有
問4
民法総合
問5
債務不履行
問6
地上権
問7
民法総合
問8
民法の条文
問9
承諾
問10
契約不適合責任
問11
借地権
問12
借家権(建物賃貸借契約)
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
問17
建築基準法(建築確認)
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
所得税(住宅ローン控除)
問24
不動産取得税
問25
不動産鑑定評価基準
問26
重要事項説明
問27
営業保証金
問28
報酬計算
問29
宅建士
問30
クーリングオフ
問31
監督処分
問32
媒介契約
問33
広告
問34
手付金等の保全措置
問35
契約書(37条書面)
問36
保証協会
問37
35条書面
問38
免許
問39
案内所
問40
契約書(37条書面)
問41
35条書面
問42
死に関する告知
問43
宅建士
問44
契約書(37条書面)
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
問49
土地
問50
建物