令和6年(2024年)問30|クーリングオフ
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない個人Bとの間で宅地の売買契約を締結し、手付金を支払ったBが、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフにより、当該売買契約を契約締結の日の翌日に解除しようとしている。この場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.Aがクーリング・オフについて告げるときに交付すべき書面には、Aの商号又は名称及び住所並びに免許証番号の記載は必要であるが、Aの宅地建物取引士の記名は必要ない。
2.Bが、自らの申出により、Bの勤務する会社の事務所において、宅地の買受けの申込み及びAとの売買契約の締結をした場合、Bは、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことができない。
3.Bが、自らの申出により、喫茶店において、宅地の買受けの申込み及びAとの売買契約の締結をした場合、Bは、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことができる。
4.Bは、自らの申出により、Bが融資を受ける銀行(宅地建物取引業者ではない。)において、宅地の買受けの申込み及びAとの売買契約の締結をした場合、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことができない。
【答え:4】
1・・・ 正しい
クーリング・オフとは、契約を結んだ後でも一定期間内であれば理由を問わず契約を解除できる制度です。
この制度を利用するためには、売主である宅地建物取引業者(A)が買主(B)に対して、クーリング・オフについて説明した書面を交付する必要があります。
この書面には以下の内容を記載する必要があります:
- 売主(A)の情報
- 商号または名称(会社名など)
- 住所
- 宅建業者の免許証番号
- 買主(B)の情報
- 氏名
- 住所
一方で、この書面には宅地建物取引士(契約時に説明を担当した担当者)の氏名を記載する必要はありません。これは、取引士の名前がクーリング・オフに直接関係ないためです。
このため、問題文の「宅地建物取引士の記名は必要ない」という記述は正しいと判断できます。
2・・・ 正しい
本肢のケースでは、B(買主)が自分で希望して、自分の勤務先(会社の事務所)で契約をしました。
宅建業法では、買主が自分で場所を指定して契約をした場合、その契約は落ち着いた状況で冷静に判断した結果とみなされます。
そのため、このような契約にはクーリング・オフ制度(無条件で契約を解除できる制度)は適用されません。
つまり、Bは「契約を解除したい」と言っても、クーリング・オフを理由に解除することはできないです。
3・・・ 正しい
Bさんは、宅地を買う契約をAさん(宅建業者)と結びました。しかし、その後、契約をやめたいと考え、クーリング・オフ制度を使おうとしています。
【ポイント1:場所について】
契約を結んだ場所が「喫茶店」だったことに注目します。喫茶店は法律上、クーリング・オフが認められる場所です。たとえBさんが自分から「喫茶店で契約したい」と提案した場合でも、クーリング・オフの権利は失われません。
【ポイント2:期間について】
契約を解除しようとしているのは契約の翌日です。クーリング・オフは契約から8日以内であれば可能なので、このタイミングは問題ありません。
よって、Bさんは、喫茶店で契約した場合でも、クーリング・オフを使って契約を解除できます。
4・・・ 誤り
Bは、融資を受ける銀行で売買契約を結びましたが、この銀行はクーリング・オフができる場所と法律で認められています。
【ポイント1:場所は関係ない】
たとえB自身が「銀行で契約したい」と場所を選んだとしても、クーリング・オフができるかどうかには影響しません。
【ポイント2:期間内なら解除OK】
契約を解除しようとしているのは契約した翌日なので、クーリング・オフが認められる期間内です。
したがって、Bはこの契約をクーリング・オフで解除することができます。
令和6年・2024年の宅建過去問
- 問1
- 法律関係
- 問2
- 委任契約
- 問3
- 共有
- 問4
- 民法総合
- 問5
- 債務不履行
- 問6
- 地上権
- 問7
- 民法総合
- 問8
- 民法の条文
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- 問10
- 契約不適合責任
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権(建物賃貸借契約)
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- 不動産登記法
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- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法(建築確認)
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- 建築基準法
- 問19
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- 土地区画整理法
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- 問24
- 不動産取得税
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- 報酬計算
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- 宅建士
- 問30
- クーリングオフ
- 問31
- 監督処分
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- 広告
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- 手付金等の保全措置
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- 契約書(37条書面)
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- 35条書面
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- 免許
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- 35条書面
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- 死に関する告知
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