宅建業法に違反した時の罰則は「懲役刑」「罰金刑」「過料」の3種類あります。全てを覚えるのはキツイので、罰則が重いものと、10万円以下の過料を重点的に覚えていきましょう。
罰則 |
違反行為 |
3年以下の懲役or300万円以下の罰金or併科 |
- 不正の手段によって免許を受けた
- 名義貸しの禁止の規定に違反して他人に宅建業を営ませた
- 業務停止処分に違反して業務を営んだ
- 無免許で事業を営んだ
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2年以下の懲役or300万円以下の罰金or併科 |
- 相手の判断に重大な影響を及ぼす事項を故意に告げなかった(事実告知義務違反)
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1年以下の懲役or100万円以下の罰金or併科 |
- 不当に高額の報酬を要求した(受領していなくても要求すること自体違反)
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6ヶ月以下の懲役or100万円以下の罰金or併科 |
- 営業保証金の供託届出前に営業開始した
- 誇大広告をした
- 不当な履行遅延をした
- 手付貸与等による契約締結の誘引をした
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100万円以下の罰金 |
- 免許申請書または添付書類に虚偽の記載をした
- 自己の名義で他人に宅建業を営む旨の表示、または、宅建業を営む目的をもってする広告をさせた
- 取引士の設置義務違反をした(2週間以内に不足を補わなかった)
- 報酬額の上限を超える報酬を受領した
- 無免許でに宅建業を営む旨の表示または宅建業を営む目的をもって広告をした
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50万円以下の罰金 |
- 変更の届出、信託会社の宅建業を営む旨の届出をしなかった、または虚偽の届出をした
- 37条書面の交付をしなかった
- 守秘義務に違反した
- 従業者に従業者証明書を携帯させず、その者を業務に従事させた
- 従業者名簿を備えなかった、またはこれに必要事項を記載しなかった、もしくは虚偽の記載をした
- 案内所等の届出をしなかった、または虚偽の届出をした
- 標識を掲示しなかった
- 報酬額の掲示をしなかった
- 業務について必要な報告をしなかった、または虚偽の報告をした
- 国土交通大臣または、都道府県知事の検査を拒み、妨げ、または忌避した者
- 取引士の事務について必要な報告をせず、または虚偽の報告をした者
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10万円以下の過料 |
- 登録が消除され、または取引士証が効力を失ったときに取引士証を返納しなかった
- 事務の禁止処分を受けたときに取引士証を提出しなかった
- 重要事項の説明のときに、取引士証を提示しなかった
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両罰規定
宅建業者の従業者等が、宅建業法上の罰則を受けるような行為があった場合、その「行為をした者」はもちろん罰則を受けるのですが。それとともに、その使用者(法人や個人業者)にも罰金が科されます。これを両罰規定と言います。
個人業者に対しては、上記と同じ罰則が科されます。法人も上記と同じ罰則が科されるのですが、一部の罰則行為については1億円以下の罰金が科されます。
1億円以下の罰金が科される場合
下記罰則を受けるような行為があった場合、法人に対しては、1億円以下の罰金が科されます。
- 不正の手段によって免許を受けた
- 名義貸しの禁止の規定に違反して他人に宅建業を営ませた
- 業務停止処分に違反して業務を営んだ
- 無免許で事業を営んだ
- 相手の判断に重大な影響を及ぼす事項を故意に告げなかった(事実告知義務違反)