平成28年 問4-1 抵当権
【問題】
Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。
Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。
【問題】
Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。
Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。
【解答】
○ 正しい
【解説】
本問は、「DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることができるかどうか?」を質問しています。言い換えれば、Dが明け渡しを主張できる権利があるか?逆に、Cは明け渡しを拒む権利があるか?ということです。
つまり、「土地の第三取得者D」と「建物の所有者C」との対抗関係の問題ということです。
では、問題文を理解していきます。
「①Aは、A所有の甲土地に・・抵当権を設定した。」
そして、「Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があった」
「②当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されて③Dが甲土地を競落した」
本問は、時系列順に問題文が記述されているので、分かりやすいです。①②③の順番ということです。
ここで質問内容を再度振り返ってみます。
「土地の第三取得者D」と「建物の所有者C」との対抗関係の問題です。
Cは建物の所有権は持っていますが、土地を利用する権利(借地権など)は持っていません。
そして、Dは土地を競売によって落札(競落)したので、土地の所有権を持っています。
そう考えると、Dが勝つんじゃないかな?と思えますが、Cも勝てる場合があります。それが、「法定地上権」というルールです。一定の要件を満たせば法律によって、地上権が発生するというルールです。
そこで、法定地上権の要件を考えます。この要件は絶対頭に入れておきましょう!
法定地上権の成立要件は下記の通りです。すべて満たす場合に法定地上権は成立し(発生し)、一つでも満たしていない場合は法定地上権は成立しません。
- 抵当権設定時に土地の上に建物が存在すること
- 抵当権設定時に土地と建物が同一所有者であること
- 土地又は建物に抵当権が設定されること
- 抵当権実行により土地・建物が異なる所有者になったこと
本肢の場合、上記要件をすべて満たしているので、Cは法定地上権を有します。
したがって、Cは、土地を利用する権利を主張することができるため、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできません。
一つ一つ、答えを導くまでの考え方を頭に入れていきましょう!
単にポイントだけ押さえるのではなく、問題文の理解・質問内容の確認をしっかり押さえて、その上でポイント(法定地上権の成立要件)を押さえるようにしましょう!
平成28年・2016年の過去問
問1 | 民法の条文 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 制限行為能力者 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 意思表示・物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 債権譲渡 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 契約不適合責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 賃貸借・使用者責任 | ア | イ | ウ | |
問8 | 転貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 判決文 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 都市計画法・開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 不動産取得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 8種制限 | ア | イ | ウ | エ |
問29 | 業務上の規制 | ア | イ | ウ | エ |
問30 | 重要事項説明・37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 広告の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 報酬 | ア | イ | ウ | |
問34 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 重要事項説明 | ア | イ | ウ | エ |
問37 | 免許の基準・免許換え | ア | イ | ウ | エ |
問38 | 宅地建物取引士 | ア | イ | ウ | エ |
問39 | 35条書面・37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 宅建業法複合 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 手付金等の保全措置 | ア | イ | ウ | エ |
問44 | クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | - | |||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |