平成28年 問40-3 営業保証金
【問題】
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。
本店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,000万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。
【問題】
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。
本店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,000万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。
【解答】
× 誤り
【解説】
還付請求できるお金の上限は、その宅建業者が供託した営業保証金の額です。
本肢の場合、本店と支店を有する宅建業者なので、たとえ、支店が1つであったとしても1500万円を限度に還付請求することができます。
したがって、「1000万円を限度として」という記述が誤りです。
上記は営業保証金を利用している場合の話ですが、保証協会に加入している場合はどうなるか?こちらの方がややこしいので下記で解説します。
還付請求できる限度額(保証協会)
保証協会に加入している宅建業者と取引をして、宅建業に関する取引で損害を受けた場合、保証協会が供託所に供託した弁済業務保証金から還付(弁済)を受けることができます。
そして、この還付請求できる限度額は「当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内」という風に規定されています。
これはどういうことか?
例えば、本店と支店2つからなる宅建業者Aが保証協会に加入していたとします。
弁済業務保証金分担金は、本店60万円、支店1か所あたり30万円なので、Aが保証協会に納付する分担金は
60万円+(30万円×2)=120万円
です。
そして、保証協会が供託所に供託する弁済業務保証金も同じく120万円です。
ここで、「当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内」とは、Aが保証協会を利用せず、営業保証金制度を利用した場合に供託すべき営業保証金の額を指します。つまり、営業保証金は本店1000万円、支店1か所あたり500万円なので、営業保証金は
1000万円+(500万円×2)=2000万円
です。
したがって、損害を受けた顧客(還付請求者)は、2000万円の弁済業務保証金を限度に、供託所に対して還付請求できるということです。
ちなみに、120万円しか供託していないにもかかわらず、2000万円も還付された場合、供託できていない1880万円については保証協会が立て替えるので、あとで、還付充当金として、保証協会に納付しないといけません。
平成28年・2016年の過去問
| 問1 | 民法の条文 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 問2 | 制限行為能力者 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問3 | 意思表示・物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問4 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問5 | 債権譲渡 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問6 | 契約不適合責任 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問7 | 賃貸借・使用者責任 | ア | イ | ウ | |
| 問8 | 転貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問9 | 判決文 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問10 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問11 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問12 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問15 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問16 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問17 | 都市計画法・開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問19 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問20 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問21 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問22 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問23 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問24 | 不動産取得税 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問25 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問26 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問27 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問28 | 8種制限 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問29 | 業務上の規制 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問30 | 重要事項説明・37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問31 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問32 | 広告の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問33 | 報酬 | ア | イ | ウ | |
| 問34 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問35 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問36 | 重要事項説明 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問37 | 免許の基準・免許換え | ア | イ | ウ | エ | 
| 問38 | 宅地建物取引士 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問39 | 35条書面・37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問40 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問41 | 宅建業法複合 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問42 | 37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問43 | 手付金等の保全措置 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問44 | クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問48 | 統計 | - | |||
| 問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |