平成19年 問9-4 債権譲渡
指名債権譲渡の予約契約を締結し、この予約契約締結の事実を確定日付のある証書により債務者に通知していれば、予約の完結によりなされる債権譲渡の効力を債務者以外の第三者に対抗することができる。
指名債権譲渡の予約契約を締結し、この予約契約締結の事実を確定日付のある証書により債務者に通知していれば、予約の完結によりなされる債権譲渡の効力を債務者以外の第三者に対抗することができる。
【解答】
×
債権譲渡の予約について、確定日付のある債務者に対する通知や債務者の承諾があっても、予約完結(本契約)による債権譲渡の効力を第三者には対抗できない。対抗するためには再度、承諾または通知が必要。
【解説】
例えば、法人AがB(ゴルフ場経営会社)に預託金を預け、ゴルフ会員権を得たとします。その後、AがC銀行からお金を借り、「C銀行との約束を守らなかった(債務不履行)場合、ゴルフ会員権を法人AからC銀行に譲渡する」という予約契約をしました。この予約契約について、Bは内容証明郵便にて承諾をしました。
その後、債務不履行があり、ゴルフ会員権の債権譲渡が本契約となりました。その際、法人AはBゴルフ会社に対して、確定日付のある証書による通知およびBゴルフ会社の承諾はありませんでした。
その後、D県が法人Aの税金滞納を理由にゴルフ会員権を差押え、Bゴルフ会社に差押通知書を出しました。
この場合、C銀行、D県のどちらが、優先権を得るのでしょうか?
判例では、債権譲渡を今後行うと予定したこと(指名債権譲渡の予約契約)について、債務者(ゴルフ会社)に通知していても、また、そのことを債務者(ゴルフ会社)が承諾していても、実際に債権譲渡(予約の完結)が行われた場合、始めに行った「債務者への通知」、「債務者の承諾」により予約契約の債権者(C銀行)は債務者(B)には対抗できるが、第三者(D県)には対抗できないとしています 。(最高裁・平成13.11.27)つまり、この場合、予約の完結後、AがBへ債権譲渡について確定日付のある証書による通知をするか、Bの承諾がなければ、第三者(D権)に対抗することができないということです。今回、債権譲渡が行われた(予約の完結権行使)後、Dが先にBに差押通知書(確定日付のある証書)で通知しているため、Dが対抗要件を備え、優先されます。
この判例から覚えるべき内容は、予約契約について「債務者が承諾」もしくは「債務者に通知」をしても、その予約契約が本契約になった際に、改めて「債務者が確定日付ある証書による承諾」もしくは「譲渡人が確定日付のある証書による通知」をして対抗要件を備えなければ、第三者に対抗できないということです。
平成19年・2007年の過去問
問1 | 意思表示 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 代理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 共有 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 不法行為 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 担保物権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 抵当権/根抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 債権譲渡 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 債務不履行 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 契約不適合責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 都市計画法/開発許可 | ア | イ | ウ | |
問21 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 所得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 贈与税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 不動産取得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 免許の要否 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 監督処分/罰則 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問38 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 重要事項説明/37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 報酬 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |