独学合格プログラム

平成26年 問2-イ 代理

【問題】
不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合、相手方において本人自身の行為であると信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の規定を類推適用することができる。

 

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【問題】
不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合、相手方において本人自身の行為であると信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の規定を類推適用することができる。

 

【解答】

権限外の行為+相手方が善意無過失→相手方は表見代理を主張できる→無権代理の行為を有効にできる

【解説】

本問は少し具体性に欠けるので分かりづらいです。そのため、本人A、無権代理人B、相手方Cとします。

なぜ、無権代理人といえるのか?それは、本人AがBに与えた代理権は「不動産を担保にお金を借りること」です。それにもかかわらず「不動産を売却」しています。だから無権代理です。具体的には「権限外の行為」を行ったわけです。

本問は問題文に「表見代理」の記述がありますが、この時点で「表見代理」の要件は頭に浮かばないといけないです。

表見代理の要件は下表で確認しておきましょう!

H26-2-2

本問では、「相手方において本人自身の行為であると信じた」ということは、相手方Cは「BがAから『お金を借りる』代理権しかもらっていないこと」について「善意」です。そして、「そのことについて正当な理由がある」ということは「無過失」といえます。

『信じるについて正当な理由がある』=「善意無過失」を覚えてもOKです!

つまり、相手方Cは「善意無過失」であることが分かります。

そして、無権代理人Bは「権限外の行為」をしています。

したがって、「権限外の行為」+「善意無過失」なので、表見代理が成立します。

表見代理が成立するということは、無権代理人Bの行った契約が有効となり(AC間で不動産の売買契約が有効となり)

契約の効果(土地の引渡し義務)は本人Aに帰属します(=Aは土地の引渡し義務が生じる)。

※「不動産を担保に金員を借り入れる」とは、「不動産を保証としてお金を借りる」ということです。

ここまで理解しておきましょう!

■表見代理の成立要件

無権代理行為の相手方が善意無過失で、かつ下記3パターンのいずれかに該当する場合、表見代理が成立する
※表見代理が成立すると、無権代理の行為は「有効」となり、相手方は本人に対して「履行請求」ができる

.代理権授与の表示による表見代理

実際に本人は代理権を与えていないが、代理権を与えたかのような表示をした場合
例)白紙の委任状を代理人に渡していた場合/本人が相手方に対して「○○さんに代理権を与えたよ」と言った場合

2.権限外の行為による表見代理

代理権の範囲を超えて、代理行為を行った場合
例)賃貸借契約締結の代理権を与えたにもかかわらず、代理人が売買契約を締結してしまった場合

.代理権消滅後の表見代理

以前は代理権を与えていたが、すでに代理権が消滅していた場合
例)与えていた売買契約締結の代理権をはく奪した後、元代理人が売買契約を締結した場合
例)代理権を与えた後に、代理人が破産手続き開始決定を受けた(=代理権消滅事由)後に、代理行為をした場合

■表見代理を主張するとは?

相手方が善意無過失の場合で、かつ、下表1~3のいずれかの条件を満たした場合、契約は有効となり、相手方は本人に、履行を請求できる。 (ニセ代理人だとしても、本人に対して、「契約通り、やるべきことをやってください!」と主張することができる。)
※下表参照 下記1~3見ると、どれも多少なりとも、本人に落ち度があることが分かります。

1であれば、代理権を与えていないのに、与えたかのような表示をする本人に落ち度はあります。

2であれば、代理権の範囲を超えて代理行為をするような者に代理権を与えた、つまり、信頼を裏切るような者を見ぬけずに代理権を与えた本人に落ち度があります。

3も同様。代理権が消滅した後も代理行為をするような者に代理権を与えた、つまり、信頼を裏切るような者を見ぬけずに代理権を与えた本人に落ち度があります。

だから、何の過失もなく知らない相手方を保護しているわけです。


平成26年・2014年の過去問

問1 民法の条文 1 2 3 4
問2 代理
問3 時効・即時取得 1 2 3 4
問4 ・根抵当権 1 2 3 4
問5 判決文[] 改正民法により削除
問6 瑕疵担保責任 1 2 3 4
問7 賃貸借 1 2 3 4
問8 不法行為 1 2 3 4
問9 制限行為能力者 1 2 3 4
問10 相続 1~4
問11 賃貸借・借地権 1 2 3 4
問12 借家権 1 2 3 4
問13 区分所有法 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 1 2 3 4
問16 都市計画法
問17 建築基準法 1 2 3 4
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問20 1 2 3 4
問21 農地法 1 2 3 4
問22 その他法令 1 2 3 4
問23 1 2 3 4
問24 不動産取得税 1 2 3 4
問25 地価公示法 1 2 3 4
問26
問27 免許 1 2 3 4
問28 案内所 1 2 3 4
問29 営業保証金 1 2 3 4
問30 業務上の規制 1 2 3 4
問31 8種制限
問32 媒介契約
問33 8種制限 1 2 3 4
問34 重要事項説明 1 2 3 4
問35 重要事項説明 1 2 3 4
問36 重要事項説明 1 2 3 4
問37 報酬
問38 8種制限・クーリングオフ 1 2 3 4
問39 保証協会 1 2 3 4
問40 37条書面
問41 案内所 1 2 3 4
問42 37条書面
問43 業務上の規制 1 2 3 4
問44
問45 1 2 3 4
問46 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48
問49 土地 1 2 3 4
問50 1 2 3 4