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平成26年 問3-3 時効(改正)

【問題】
買主の売主に対する契約内容に適合しない事由による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。(改)

 

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【問題】
買主の売主に対する契約内容に適合しない事由による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。(改)

 

【解答】

原則、「①債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」または「②権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」時効により消滅する

【解説】

まず、契約不適合責任を追及する買主は、種類・品質(数量・権利移転は除く)について契約不適合を知ったときから、1年以内、売主に対して契約不適合の旨を通知する必要があります。

通知しない場合、買主は、その不適合を理由とする「A)追完請求権」「B)代金減額請求」「C)損害賠償請求及び契約解除」はできなくなる。通知をすることで、A)~C)の権利は通常の債権の消滅時効の期間内に行使することができます。

では、今回の契約不適合の瑕疵による損害賠償請求権の消滅時効期間はどうなるか?

通常の債権の消滅時効のルールが適用されます。

債権は原則、下記①②のいずれかに該当するとき時効により消滅します。

「①債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」

または

「②権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」

①について

買主は不適合を知って、知った時から1年以内に通知した場合に限って、

不適合を知った時から5年経過で損害賠償請求権が消滅する。

②について

買主が不適合を知らなかったとしても、引き渡しから10年経過で債権が消滅する。

つまり、起算点でいうと①不適合を知った時点(主観的起算点)と②引き渡しを受けた時点(客観的起算点)の2つあるということです。

本問は②の内容なので正しいです。

契約不適合による買主の権利の期間制限

契約不適合があった場合に、買主が売主に追及できる「①追完請求権」「②代金減額請求権」「③損害賠償請求権および解除権」はいつまで権利行使ができるか?

原則

目的物に契約不適合があった場合(例えば、欠陥やキズがあった場合)、使用や時間の経過によって判断ができなくなります。

そのため、早期に解決しておく必要があるります。

そのため、買主は、種類・品質(数量・権利移転は除く)について契約不適合(瑕疵)を知ったときから、1年以内に、売主に対して契約不適合の旨を「通知」する必要があります。

(a)通知しない場合、買主は、その不適合を理由とする「①追完請求権」「②代金減額請求」「③損害賠償請求及び契約解除」はできなくなる。通知をすることで、①~③の権利は通常の債権の消滅時効の期間内に行使すればよいです。

つまり、 (b)買主は不適合を知ったことになるので、消滅時効の主観的起算点により、不適合を知った時から5年経過で①~③の債権が消滅します。

さらに、 (c)買主が不適合を知らなかったとしても、消滅時効の客観的起算点により、引き渡しから10年経過で①~③の債権が消滅します。

(a)~(c)のいずれかが到来した時点で、買主は請求権を失うわけです。

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例外

売主が」引渡しの時に目的物が契約の内容に適合しないものであることについて知っていたり(悪意)、または、知らなかったとしても重大な過失がある場合(重過失)には、売主を保護する必要はないので、1年間の期間制限が適用されず、買主は目的物について契約内容の不適合を知ってから1年経過したとしても、売主に責任追及ができます。

ただし、 (d)消滅時効の通常の考え方は適用されるため、「買主が契約不適合を知ってから5年」もしくは「引渡しから10年」経過すれば買主の①~③の権利は消滅します。

債権の消滅時効(原則)

債権は、次の1、2のいずれかに該当するとき(いずれか一方が到来した時)は、時効によって消滅します。

  1. 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。・・・主観的起算点を使う
  2. 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。・・・客観的起算点を使う

例えば、AがBから100万円を借り、「就職したら返済する」約束をした。Aが就職したのに返済しないでいた場合、BがAの就職を知ったときから5年間返還請求しない場合、Bの債権は時効により消滅してしまいます(1)。

また、Aの就職を知らなくても、Aが就職してから10年間返還請求をしない場合もBの債権が時効消滅します(2)。


平成26年・2014年の過去問

問1 1 2 3 4
問2 代理
問3 時効・即時取得 1 2 3 4
問4 抵当権・根抵当権 1 2 3 4
問5 判決文[債権譲渡] 改正民法により削除
問6 瑕疵担保責任 1 2 3 4
問7 賃貸借 1 2 3 4
問8 不法行為 1 2 3 4
問9 制限行為能力者 1 2 3 4
問10 相続 1~4
問11 賃貸借・ 1 2 3 4
問12 借家権 1 2 3 4
問13 区分所有法 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 1 2 3 4
問16 都市計画法
問17 建築基準法 1 2 3 4
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問20 土地区画整理法 1 2 3 4
問21 農地法 1 2 3 4
問22 その他法令 1 2 3 4
問23 登録免許税 1 2 3 4
問24 不動産取得税 1 2 3 4
問25 地価公示法 1 2 3 4
問26 免許の要否
問27 免許 1 2 3 4
問28 案内所 1 2 3 4
問29 1 2 3 4
問30 1 2 3 4
問31 8種制限
問32 媒介契約
問33 8種制限 1 2 3 4
問34 1 2 3 4
問35 重要事項説明 1 2 3 4
問36 重要事項説明 1 2 3 4
問37
問38 8種制限・ 1 2 3 4
問39 保証協会 1 2 3 4
問40 37条書面
問41 案内所 1 2 3 4
問42 37条書面
問43 業務上の規制 1 2 3 4
問44 監督処分
問45 1 2 3 4
問46 住宅金融支援機構 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48
問49 土地 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4