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【問題】
放火によって家屋が滅失し、火災保険契約の被保険者である家屋所有者が当該保険契約に基づく保険金請求権を取得した場合、当該家屋所有者は、加害者に対する損害賠償請求金額からこの保険金額を、いわゆる損益相殺として控除しなければならない。

 

【解答】
×　誤り

【解説】

損益相殺とは、不法行為で損害を受けた被害者が、その不法行為によって損害以上の利益を受けた場合に、賠償額からその利益分を控除することをいいます。

つまり、不法行為によって、損害と利益を同時に受けている場合に損益相殺されます。

【具体例】

例えば、損害額が1000万円で、事前に、加害者から、50万円を見舞金として弁済を受けている場合は、
損害賠償額は950万円になるということです。

■そして、被害者の受け取る保険金については、損益相殺の対象となる「利益」には含まれません。

【理由】　火災保険金は、家屋所有者が、保険料を支払っており、その「保険料の支払いの対価」としてもらったお金であるので損害額から控除できない、となっています。

よって、「保険金額を損益相殺として控除しなければならない」という記述は誤りです。

これは上記太文字だけそのまま覚えればよいでしょう。