令和元年 問9-2 時効
AがBに対して金銭の支払を求めて訴えを提起した。
訴えの提起後に当該訴えの却下の判決が確定した場合には、時効の更新の効力は生じない。(改正民法に伴い問題文を一部変更)
AがBに対して金銭の支払を求めて訴えを提起した。
訴えの提起後に当該訴えの却下の判決が確定した場合には、時効の更新の効力は生じない。(改正民法に伴い問題文を一部変更)
【解答】
〇 正しい
【解説】
訴えの提起後に当該訴えの却下の判決が確定した場合、時効の更新はされません。
よって、正しいです。
※ 却下の場合、「時効の完成猶予」の効力は生じますが、「時効の更新」はありません。
どういうことか?
まず、訴訟を提起することで、「時効の完成が猶予」されます。
その後、裁判所から「確定判決」をもらえば、「時効は更新」するのですが、確定判決をもらう前に、「却下」されています。
却下とは、訴訟をしたけど、訴訟要件を満たさないことを理由に裁判をしません!というイメージです。
そのため、確定判決をもらっていないため、「時効更新はされない」ということです。
時効の完成猶予
「時効の完成猶予」とは、時効の進行が「一時停止」するイメージです。
下記の「時効の完成猶予事由」に該当すると、たとえ、もともとの時効完成の時期が到来しても、その期間中は時効が完成しない(時効の完成が妨げられる)ということです。
 
時効の更新とは?
今まで経過してきた時効のための時間が、法律上ストップして、また、振り出しに戻る(リセットされ、再スタート:新たに時効期間がスタートする)ことを言います。
時効期間が満了すると、債権者が有する債権が消滅して、債権者に不利益が生じるので、これを防ぐための手段として「時効の更新」があります。
【裁判上の請求の例】
例えば、債権者AがBに対して100万円を貸したにもかかわらず、Bが返済をしなかった。あと1年経過すると「時効期間が満了」して、貸金債権が消滅してしまう場合、時効期間が満了する前に、債権者Aが裁判を起こすことで、いったん「時効完成は猶予」されます。
その後、「Bさん、Aさんに100万円を返しなさい!」と確定判決を得た場合、「時効は更新」され、時効期間は、1日目から再スタートとなります。(時効期間は新たに10年間となるので、10年間は、時効による債権消滅はしなくなる)
【和解の例】
上記具体例と同じ内容で、債権者Aが裁判を起こして、AB間で和解をした場合、「和解=確定判決」ととらえることができるので、和解した時に、「時効は更新」され、時効期間は、1日目から再スタートとなります。(時効期間は新たに10年間となるので、10年間は、時効による債権消滅はしなくなる)
令和元年・2019年の宅建過去問
| 問1 | 対抗関係 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 問2 | 意思表示 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問3 | 売主の担保責任 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問4 | 不法行為、損益相殺 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問5 | 代理(判決文) | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問6 | 相続・遺産分割 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問7 | 弁済 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問8 | 請負 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問9 | 時効 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問10 | 抵当権の順位譲渡 | 1~4 | |||
| 問11 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問12 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問15 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問16 | 都市計画法(開発許可) | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問17 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問19 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問20 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問21 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問22 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問23 | 所得税 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問24 | 固定資産税 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問25 | 地価公示法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問26 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問27 | 8種制限 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問28 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問29 | 監督処分・罰則 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問30 | 広告規制 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問31 | 媒介契約 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問32 | 報酬計算 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問33 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問34 | 37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問35 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問36 | 37条書面 | ア | イ | ウ | エ | 
| 問37 | 手付金等の保全措置 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問38 | クーリングオフ | ア | イ | ウ | |
| 問39 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問40 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問41 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問42 | 宅地の定義 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問43 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問44 | 宅建士 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問47 | 不当表示法 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問48 | 統計 | ||||
| 問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 | 
| 問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |