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令和元年 問27-イ 8種制限

【問題】
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の契約不適合に関し、取引の相手方が同意した場合に限り、買主が行う契約不適合の旨の通知期間を当該宅地又は建物の引渡しの日から1年とする特約を有効に定めることができる。(取引の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする)

 

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【問題】
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の契約不適合に関し、取引の相手方が同意した場合に限り、買主が行う契約不適合の旨の通知期間を当該宅地又は建物の引渡しの日から1年とする特約を有効に定めることができる。(取引の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする)

 

【解答】
× 誤り

【解説】

本問は、売主が宅建業者、買主が非宅建業者なので8種制限が適用されます。

そして、本問は8種制限の一つである「担保責任についての特約の制限」に関する内容です。 「担保責任に関する特約」を定める場合、原則、民法と比べて買主に不利となる特約を締結することができません。

ただし、例外として、通知期間を引渡しから2年以上とすることは許されます。(宅建業法で許されていること)

民法では、担保責任()を追及する場合、契約不適合を知ってから1年以内に、売主に対して契約不適合の旨を「通知」しなければならないと規定しています。

この「契約不適合を知ってから1年」を「引き渡しから2年」よりも長い期間で設定することはOKということです。(宅建業法で許されていること)

例えば、「担保責任(契約不適合責任)を追及する場合、引渡しから2年以内に、売主に対して契約不適合の旨を「通知」しなければならない」特約は、有効ということです。

よって、本問は「買主が行う契約不適合の旨の通知期間を当該宅地又は建物の引渡しの日から1年とする特約」となっているので誤りです。

担保責任の特約制限(宅建業法)

宅建業法における「担保責任の特約制限」に関する問題です。これを理解する為には、民法の契約不適合責任をまず頭に入れる必要があります。

民法の契約不適合責任

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、 買主は、その不適合を理由として、①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除をすることができくなります

つまり、売主が、契約内容に適合しない不動産を引渡した場合、買主は不適合を知ってから1年以内に「この部分が不適合ですよ!」と通知しないと、買主は、売主に対して責任追及できなくなる(①~④の権利を行使できなくなる)ということです。

宅建業法の担保責任の特約制限

宅建業法では、売主が宅建業者・買主が非宅建業者の場合、契約不適合に関する通知期間を「その目的物の引渡しの日から2年以上となる特約」は許される(有効)が、それ以外の特約については、民法の契約不適合責任の規定より買主に不利となる特約をしてはならない(無効となる)としています。

無効となった場合、民法の原則に立ち返り、 買主は、売主業者に対して、契約不適合に関する通知期間は「契約不適合を知ってから1年以内」に行えばよいことになります。

【具体例】

宅建業者が自ら売主として宅建業者でない者に対して建物を販売した場合、契約不適合責任の通知期間を

  • 引き渡しの日から1年と特約した場合⇒無効⇒民法の原則に戻って、買主の通知期間は「買主が契約不適合を知った時から1年」となる
  • 引き渡しの日から2年と特約した場合⇒有効
  • 引き渡しの日から3年と特約した場合⇒有効
  • 買主が契約不適合を知った日から6か月とする特約をした場合⇒無効⇒民法の原則に戻って、買主の通知期間は「買主が契約不適合を知った時から1年」となる
  • 買主が契約不適合を知った日から1年とする特約をした場合⇒有効(民法通りだから)
  • 買主が契約不適合を知った日から1年半とする特約をした場合⇒有効(民法より買主に有利だから)
  • 買主が契約不適合を知った日から2年とする特約をした場合⇒有効(民法より買主に有利だから)

また、特約で、「契約不適合がある場合、買主は損害賠償請求のみできる」とした場合、民法(①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除ができる)よりも不利になるので、無効となり、民法通り、「①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除」ができるとなる。
※ 民法上、買主に帰責事由がある場合、①②④はできない
※ 民法上、売主に帰責事由がない場合、③はできない

 


令和元年・2019年の宅建過去問

問1 対抗関係 1 2 3 4
問2 意思表示 1 2 3 4
問3 売主の担保責任 1 2 3 4
問4 不法行為、損益相殺 1 2 3 4
問5 (判決文) 1 2 3 4
問6 相続・遺産分割 1 2 3 4
問7 1 2 3 4
問8 1 2 3 4
問9 時効 1 2 3 4
問10 抵当権の順位譲渡 1~4
問11 借地権 1 2 3 4
問12 借家権 1 2 3 4
問13 区分所有法 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 都市計画法 1 2 3 4
問16 都市計画法(開発許可) 1 2 3 4
問17 建築基準法 1 2 3 4
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問20 土地区画整理法 1 2 3 4
問21 農地法 1 2 3 4
問22 国土利用計画法 1 2 3 4
問23 所得税 1 2 3 4
問24 固定資産税 1 2 3 4
問25 地価公示法 1 2 3 4
問26 免許 1 2 3 4
問27 8種制限
問28 35条書面 1 2 3 4
問29 監督処分・罰則
問30 広告規制
問31 媒介契約
問32 報酬計算 1 2 3 4
問33 保証協会 1 2 3 4
問34 37条書面 1 2 3 4
問35 業務上の規制 1 2 3 4
問36 37条書面
問37 手付金等の保全措置 1 2 3 4
問38 クーリングオフ
問39 35条書面 1 2 3 4
問40 業務上の規制 1 2 3 4
問41 35条書面 1 2 3 4
問42 宅地の定義 1 2 3 4
問43 1 2 3 4
問44 宅建士 1 2 3 4
問45 住宅瑕疵担保履行法 1 2 3 4
問46 住宅金融支援機構 1 2 3 4
問47 不当表示法 1 2 3 4
問48 統計
問49 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4