令和2年10月 問3-2 契約解除(判決文)
民法の規定及び下記判決文によれば、【問】は正しいか、誤っているか。(判決文)
法律が債務の不履行による契約の解除を認める趣意は、契約の要素をなす債務の履行がないために、該契約をなした目的を達することができない場合を救済するためであり、当事者が契約をなした主たる目的の達成に必須的でない附随的義務の履行を怠ったに過ぎないような場合には、特段の事情の存しない限り、相手方は当該契約を解除することができないものと解するのが相当である。
【問】
債務者が債務を履行しない場合であっても、債務不履行について債務者の責めに帰すべき事由がないときは付随的義務の不履行となり、特段の事情がない限り、債権者は契約の解除をすることができない。
(判決文)法律が債務の不履行による契約の解除を認める趣意は、契約の要素をなす債務の履行がないために、該契約をなした目的を達することができない場合を救済するためであり、当事者が契約をなした主たる目的の達成に必須的でない附随的義務の履行を怠ったに過ぎないような場合には、特段の事情の存しない限り、相手方は当該契約を解除することができないものと解するのが相当である。【問】
債務者が債務を履行しない場合であっても、債務不履行について債務者の責めに帰すべき事由がないときは付随的義務の不履行となり、特段の事情がない限り、債権者は契約の解除をすることができない。
【解答】
×
【解説】
まず「債務不履行について債務者の責めに帰すべき事由がないときは付随的義務の不履行となり」とは判決文には書いてありません。
よって、誤りです。
債務不履行は、債務者の責めに帰すべき事由があるとき(債務者に責任があるとき)に債務不履行となり、債務者に対して損害賠償請求ができます。
【詳細解説】
■問題の全体像
問題は、「契約を解除できるかどうか」に関するものです。
契約では、当事者が互いに約束(=債務)をして、それを果たすことが前提です。
でも、もしどちらかが約束を守らなかったら、もう一方は「契約をなかったことにする(=解除)」ことができるのが原則です。
■判決文の趣旨(かみくだき)
判決文の内容を簡単に言うと、こうです。
契約を解除できるのは、契約の重要な目的が果たせないときだけ。
ちょっとした付け足しのような約束(=附随的義務)が守られなかっただけでは、基本的に契約解除はできません。
たとえば、
「中古車を買う契約」で、
納車がされない(=契約の目的が果たせない)→ 契約を解除できる。
車の取扱説明書をつけ忘れた(=あくまで附随的)→ 原則、契約は解除できない。
■問題文の誤りについて
問題文ではこう言っています。
「債務者の責めに帰すべき事由がないときは、附随的義務の不履行となる」
でもこれは判決文の内容を誤って理解している表現です。
なぜなら、附随的義務かどうかは、「契約にとって重要な約束かどうか」で判断されることであって、
「債務者に責任があるかどうか(=帰責性)」とは別問題だからです。
よって、問題文は、「責めに帰すべき事由がないときは、それだけで附随的義務になる」と誤って書いているので、誤り(×)です。
令和2年・2020年(10月試験)の宅建過去問
問1 | 囲繞地通行権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 契約解除(判決文) | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 賃貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 委任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 錯誤 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 売買・贈与 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 時効 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 都市計画法(開発許可) | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 不動産取得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 広告 | ア | イ | ウ | エ |
問28 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 媒介契約 | ア | イ | ウ | エ |
問30 | 報酬計算 | ア | イ | ウ | エ |
問31 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 37条書面 | ア | イ | ウ | エ |
問38 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | クーリングオフ | ア | イ | ウ | エ |
問41 | 重要事項説明 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当表示法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |