平成18年 問13-2 借地権
自らが所有している甲土地を有効利用したいAと、同土地上で事業を行いたいBとの間の契約に関して、甲土地につき、Bが1年間の期間限定の催し物会場としての建物を建築して一時使用する目的で土地の賃貸借契約を締結する場合には、当該契約の更新をしない特約は有効である。しかし、Bが居住用賃貸マンションを所有して全室を賃貸事業に供する目的で土地の賃貸借契約を締結する場合には、公正証書により存続期間を15年としても、更新しない特約は無効である。
自らが所有している甲土地を有効利用したいAと、同土地上で事業を行いたいBとの間の契約に関して、甲土地につき、Bが1年間の期間限定の催し物会場としての建物を建築して一時使用する目的で土地の賃貸借契約を締結する場合には、当該契約の更新をしない特約は有効である。しかし、Bが居住用賃貸マンションを所有して全室を賃貸事業に供する目的で土地の賃貸借契約を締結する場合には、公正証書により存続期間を15年としても、更新しない特約は無効である。
【解答】
○
一時使用借地権は借地借家法の「契約期間・更新」に関する規定は適用されない
「居住用マンション」では、事業用定期借地権を設定できない
【解説】
まず、「1年間の期間限定の催し物会場としての建物を建築して一時使用する目的で土地の賃貸借契約」という記述から、一時使用借地権ということが分かります。一時的に使用する建物のための借地権が一時使用借地権だからです。そして、一時使用目的の借地権は、借地借家法での存続期間・更新の規定とも適用されないため、更新をしない特約は有効で す。
一方、借地借家法の普通借地権では、「法定更新」というルールがあります!(下表参照)そのため、普通借地権では「更新しない」旨の特約はできませ ん。「更新しない」ようにするには、定期借地権にする必要があります。例えば、一般定期借地権であれば、存続期間を50年以上にしなければならないわけで す。単に「更新しない」旨の特約をすれば定期借地権になるわけではないので注意してください!定期借地権の要件を満たした場合のみ定期借地権になるのです!
■後半部分について、居住用賃貸マンションを所有して全室を賃貸事業に供する目的で土地の賃貸借契約を締結する場合、事業用借地契約とはなりません。
この点は注意してください!「居住用マンション」では、事業用借地権を設定できない点 は頭に入れてください!
そうすると、本問題は「事業用借地権」にはならなくても、建物所有目的の土地の賃貸借なので、「普通借地権」になります。普通借地 権の存続期間は30年以上で定めないといけません。もし、30年未満で定めれば、30年となります。そして、普通借地権は「更新しない特約」は無効です。 したがって、後半部分も無効です。
もし、本問が「居住用賃貸マンション」ではなく、「ファミレス店舗」を所有する目的であれば、存続期間は15年(10年以上50年未満)であって、公正証書によって契約しているので「更新しない特約」も有効となります。この場合「事業用借地権」となるわけです。
借地権の更新の方法
更新は借地権設定者(地主)と借地権者(借主)の合意によって行う「合意更新」と、地主の承諾なく更新される「法定更新」の2つがあります。合意更新については、当事者(貸主と借主)が合意をすれば更新されるので簡単ですが、法定更新が少し複雑です。ポイントは、「法定更新となる要件」「法定更新されるとどうなるか?(効果)」です。その点を解説します。
平成18年・2006年の過去問
問1 | 民法その他 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 代理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 停止条件 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 共有 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 請負契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 債務不履行 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 委任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 賃貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 不法行為 使用者責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 相続等 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 都市計画法 開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 都市計画法 開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 所得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 不動産取得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 地価公示 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 免許など | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 重要事項説明書 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 重要事項説明・35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 37条書面 | ア | イ | ウ | |
問38 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 宅建業法複合 | 1 | 2 | 改正民法に伴い削除 | 4 |
問42 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 報酬計算 | ア | イ | ウ | |
問44 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融公庫法 | - | |||
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | - | |||
問49 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |