独学合格プログラム

平成18年 問11-3 不法行為 相殺(改正)

【問題】
事業者Aが雇用している従業員Bが行った損害を与える意思による不法行為に関して、Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり、Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合、Aが被害者に対して売買代金債権を有していれば、被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる。(改)

 

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【問題】
事業者Aが雇用している従業員Bが行った損害を与える意思による不法行為に関して、Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり、Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合、Aが被害者に対して売買代金債権を有していれば、被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる。(改)

 

【解答】

不法行為の加害者(その使用者も含む)からは相殺できない

【解説】

H18-11-3

被害者救済の観点から、下記①②に基づく不法行為による損害賠償は現実にお金を支払う必要があります。

損害を与える意思(悪意と呼ぶ)による不法行為

人の生命・身体の侵害による不法行為

そのため、①②の加害者からは相殺することができないのです。

相殺できると仮定すると、加害者は損害賠償のお金を払う必要がなくなります。

そうなると、被害者を救済できないので、加害者から相殺することはできないとしています。

これを法律用語でいうと、不法行為に基づく損害賠償請求権(被害者が持つ権利)を「受働債権」として相殺することはできません

逆に、被害者からは相殺できるので、不法行為に基づく損害賠償請求権(被害者が持つ権利)を「自働債権」として相殺することはできます

※ 「損害加える意図がなく」かつ「人の命や身体への侵害とはいえない」Bの不法行為についてはAから相殺できます

例えば、Bと被害者がどちらも車を運転している際に双方の過失によって、軽く車がぶつかって、車だけが破損して、身体への影響はほとんどない場合です。このような場合、BやAからも相殺できます。

相殺とは?

sousai

相殺とは、貸し借り、損得などを互いに消し合って、ゼロにすることです。

例えば、AがBにお金を貸し、返済期限(弁済期)が1月10だった場合、Aは「Bに対する債権」を有することになります。この債権を「AのBに対する債権」という呼び方をします。

一方、BがAにお金を貸し、返済期限が1月20日だった場合、Bは「Aに対する債権」を有することになり、この債権を「BのAに対する債権」と呼びます。

「AのBに対する債権」・・・・Aの(有する)債権なので、Aが債権者 → Bが債務者

「BのAに対する債権」・・・・Bの(有する)債権なので、Bが債権者 → Aが債務者

自働債権と受働債権

上図において、AがBに対して、「相殺させてください!」といった場合、「相殺させてください!」と主張した側が有する債権を自働債権と呼びます。

つまり、「AのBに対する債権」が自働債権(相殺しようとする側)です。

一方、相殺を主張された側であるBが有する「BのAに対する債権」を受働債権(相殺される側)と言います。


平成18年・2006年の過去問

問1 民法その他 1 2 3 4
問2 代理 1 2 3 4
問3 停止条件 1 2 3 4
問4 1 2 3 4
問5 抵当権 1 2 3 4
問6 請負契約 1 2 3 4
問7 保証 1 2 3 4
問8 1 2 3 4
問9 委任 1 2 3 4
問10 賃貸借 1 2 3 4
問11  使用者責任 1 2 3 4
問12 相続等 1 2 3 4
問13 1 2 3 4
問14 借家権 1 2 3 4
問15 不動産登記法 1 2 3 4
問16 区分所有法 1 2 3 4
問17 国土利用計画法 1 2 3 4
問18 都市計画法 1 2 3 4
問19 都市計画法 開発許可 1 2 3 4
問20 都市計画法 開発許可 1 2 3 4
問21 建築基準法 1 2 3 4
問22 建築基準法 1 2 3 4
問23 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問24 土地区画整理法 1 2 3 4
問25 農地法 1 2 3 4
問26 所得税 1 2 3 4
問27 印紙税 1 2 3 4
問28 不動産取得税 1 2 3 4
問29 地価公示 1 2 3 4
問30 1 2 3 4
問31 免許など 1 2 3 4
問32 取引士 1 2 3 4
問33 重要事項説明書 1 2 3 4
問34 営業保証金 1 2 3 4
問35 重要事項説明・35条書面 1 2 3 4
問36 取引士 1 2 3 4
問37 37条書面
問38 業務上の規制 1 2 3 4
問39 8種制限 1 2 3 4
問40 業務上の規制 1 2 3 4
問41 宅建業法複合 1 2 改正民法に伴い削除 4
問42 業務上の規制 1 2 3 4
問43 報酬計算
問44 1 2 3 4
問45 監督処分 1 2 3 4
問46 住宅金融公庫法
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 1 2 3 4
問50 1 2 3 4