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平成14年 問1-2 意思表示 詐欺

【問題】
AがBの欺罔行為によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合に関して、AがCに所有権移転登記を済ませ、CがAに代金を完済した後、詐欺による有効な取消しがなされたときには、登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる。

 

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【問題】
AがBの欺罔行為によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合に関して、AがCに所有権移転登記を済ませ、CがAに代金を完済した後、詐欺による有効な取消しがなされたときには、登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる。

 

【解答】

詐欺を理由とする当事者の原状回復義務は同時履行の関係に立つ

【解説】

H14-1-2

契約が取り消されると、その契約は初めからなかったものとみなされます。(遡及効という効果による)

そのためお互い、契約後に行ったことを、もとの状態に戻す義務を負います。これを「原状回復義務」といいます。

例えば、AがBからの詐欺でA所有の建物をCに1000万円で売却したとします。

その後、AがBの詐欺を理由に取り消すと、A・Cは原状回復義務を負います。

Aは「1000万円の返還義務」を負い、Cは「登記の抹消義務」を負います。

このお互いの債務は同時に行います(「同時履行の関係ある」という)。

■同時履行の関係とは

当事者双方が同時に履行することを言います。

例えば、Aさん売主、Bさん買主で土地の売買契約をしたとします。 この場合の多くが、Aさんの「土地を引渡す義務」と、Bさんの「お金を払う義務」は同時に行われます。

同時履行の関係にあるもの

  • 売買契約における、買主の「代金支払い債務」と売主の「引渡し債務+所有権移転協力義務」
  • 契約が解除された場合の売主の「原状回復義務」と買主の「原状回復義務」
    ※売主の原状回復義務:代金返還+利息の支払い
    ※買主の原状回復義務:引渡し+抹消登記+使用したことによる利益(賃料)の支払い
  • 請負契約における注文者の「報酬支払債務」と請負人の「目的物の引渡し債務」
    例) 建築請負の場合、建物を引渡すと同時に報酬を支払うことになります。「建物の完成」と「支払い」が同時ではない点に注意してください!
  • 請負契約における建物に瑕疵があった場合の注文者の「報酬支払債務」と請負人の「瑕疵修補義務に代わる損害賠償債務」
  • 買主Bが売主Aを騙してA所有の土地について売買契約をした後、詐欺取消しによって生じるBの「代金返還請求」とAの「土地の返還請求」
    ⇒詐欺をしたBが得しているように思うかもしれませんが判例なので、そのまま覚えてください。
  • 弁済(代金の支払いなど)と受取証書の交付
  • 借地契約の終了にともない、借地権者が建物買取請求権の行使をした場合の、地主(借地権設定者)の「代金支払い義務」と借地権者の「土地・建物の明け渡し義務」

同時履行の関係にないもの

  • 賃貸借契約における貸主の「敷金返還債務」と借主の「明渡し債務」 →「借主の明渡し」が先で、その後に「借主は敷金返還請求」ができる。
  • 賃貸借契約における賃貸人の「引渡債務」と、賃借人の「賃料支払債務
    ※賃料の支払い時期は、原則、後払い。(特約で支払い時期を定めることは可能)
  • 抵当権設定契約における抵当権者の「抵当権抹消債務」と抵当権設定者等の「弁済」
    →抵当権設定者等の弁済が先で、その後に、抵当権設定者は抵当権抹消請求ができる。そもそも、抵当権には付従性という性質があるため、借主が弁済した時点で、当然に抵当権は消滅します(登記簿上は残っていますが)。


平成14年・2002年の過去問

問1 詐欺 1 2 3 4
問2 代理 1 2 3 4
問3 占有権 1 2 3 4
問4 相隣関係/ 1 2 3 4
問5 /担保物権 1 2 3 4
問6 抵当権 1 2 3 4
問7 1 2 3 4
問8 債務不履行 1 2 3 4
問9 契約不適合責任 1 2 3 4
問10 委任契約 1 2 3 4
問11 使用者責任 1 2 3 4
問12 1 2 3 4
問13 借地権 1 2 3 4
問14 1 2 3 4
問15 不動産登記法 法改正により削除 2 3 4
問16 国土利用計画法 1 2 3 4
問17 都市計画法 1 2 3 4
問18 都市計画法・ 1 2 3 4
問19 都市計画法・開発許可 1 2 3 4
問20 1 2 3 4
問21 建築基準法 1 2 3 4
問22 土地区画整理法 1 2 3 4
問23 農地法 1 2 3 4
問24 1 2 3 4
問25 その他法令 1 2 3 4
問26 所得税 1 2 3 4
問27 登録免許税 1 2 3 4
問28 固定資産税 1 2 3 4
問29 不動産鑑定評価基準 1 2 3 4
問30 免許の要否 1 2 3 4
問31 宅建業法総合 1 2 3 4
問32 業務上の規制 1 2 3 4
問33 保証協会 1 2 3 4
問34 1 2 3 4
問35 取引士 1 2 3 4
問36 宅建業法総合 1 2 3 4
問37 35条書面 1 2 3 4
問38 35条書面・37条書面 1 2 3 4
問39 監督処分 1 2 3 4
問40 8種制限 1 2 3 4
問41 8種制限 1 2 3 4
問42 案内所 1 2 3 4
問43 保証協会 1 2 3 4
問44 監督処分 1 2 3 4
問45 1 2 3 4
問46 住宅金融公庫 法改正により削除
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4