平成14年 問3-1 その他 占有権
【問題】
売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした場合に関して、Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾しただけでは、AがCに建物を引き渡したことにはならない。
売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした場合に関して、Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾しただけでは、AがCに建物を引き渡したことにはならない。
【問題】
売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした場合に関して、Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾しただけでは、AがCに建物を引き渡したことにはならない。
売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした場合に関して、Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾しただけでは、AがCに建物を引き渡したことにはならない。
【解答】
×
指図による占有移転 → 第三者が物を占有し、現実に物の引渡しがなくても、本人Aがその代理人Bに対して以後第三者Cのためにその物を占有することを命じ、その第三者Cがこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。
【解説】
「売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して」という記述から、「建物の所有者はA」「建物の占有者はB」「買主がC」となります。
そして、「Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾した」ということは、当初建物をBが占有しており、その後もCに現実に引渡すことなく、Bが占有するわけですが、 「Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾すること」で、Cが占有権を主張します。つまり、AはCに引渡したことになります。これを「指図による占有移転」といいます。
簡単にいえば、現実にBからCに建物の引渡しをしていないが、法律上、引渡しがあったものとみなされるわけです。
占有権とは
占有権とは、自分の物であろうがなかろうが関係なく、「自分が利用するために」、その物を自分の支配しているときに、その物を支配することが認められる権利です。 自分が現にある物を持っている、という状態を、占有といい、持っていることを認める権利が占有権です。 例えば、Aが所持している「本」があるとします。この時点で「本」の占有権はAにあります。その後、Bが奪い取った場合、「本」の占有権はBが持つこととなります。 (この場合、Aは「本」の所有権を持っているので、所有権に基づいて、返還請求をすることができます。)占有代理
占有代理人が「本人の物」を所持し、占有代理人が本人のために占有している意思をもっていれば、実際に本人が占有していなくても、占有代理人を介して、占有していることになる。これを占有代理という。 例えば、AがBに対して「本」を少し持っておいてと頼んで、Bに「本」を渡しました。 この時点で、Aは本を占有していないですが、BはAの本を占有している意思を持っていれば、Aは占有権を失わず、占有権を主張できます。占有権を取得する方法
占有権を取得する方法は4つあります。 下表の4つについては、いずれもBが占有権を取得しています。1.現実の引渡し
AがBに建物を売却し、AがBに建物を引渡す2.簡易の引渡し
AがBに建物を売却しました。 しかし、建物は、すでにBがAのために占有していました。 この場合、Bが建物の引渡しを受けて占有権を取得するためには、一度建物をAに返して、改めてAから建物の引渡しを受ける必要があります。 しかし、それは面倒なので、AB間の合意があれば、引渡したこととなることを簡易の引渡しという2.占有改定
AがA所有の建物をBに売却する契約を締結した。 しかし、Bは、当分は、建物を使用しないし、使用していないと建物が傷むので、「Aさん、私(B)の代わりに、しばらく建物を占有しておいてください!」と言いました。 それに応じてAも「わかりました。」と言いました。 占有しているのは、売却前と変わらずAですが、「Bのために占有する意思表示」をすることで、Bが占有権を取得します。 このように、物が移動していなくても、意思表示だけで引渡しがあったことになるのが「占有改定」です。3.指図による占有移転
AがA所有の建物をBに売却する契約を締結した。 しかし、Aは、この建物をCに占有させていた。 そこで、AがCに対して、「建物はBに売却したので、これからは、Bのために占有してください!」と言いました。 それに応じて、Bも「わかりました。これからはCが私のために占有してくれるんですね!」と承諾した。 つまり、物が移動していなくても、意思表示だけで引渡しがあったことになるので「占有改定」と似ていますが、第三者が占有している点で「占有改定」と異なります。
平成14年・2002年の過去問
問1 | 詐欺 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 代理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 占有権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 相隣関係/地役権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 質権/担保物権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 債務不履行 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 債務不履行 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 契約不適合責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 委任契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 使用者責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 不動産登記法 | 法改正により削除 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 都市計画法・開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 都市計画法・開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | その他法令 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | その他法令 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 所得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 登録免許税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 固定資産税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 免許の要否 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 宅建業法総合 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 宅建業法総合 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問38 | 35条書面・37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 案内所 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融公庫 | 法改正により削除 | |||
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |