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【問題】
Ａが、Ｂ所有の建物の売却についてＢから代理権を授与されている場合に関して、Ａが、買主Ｄから虚偽の事実を告げられて売買契約をした場合でも、Ｂがその事情を知りつつＡに対してＤとの契約を指図したものであるときには、ＢからＤに対する詐欺による取消はできない。

 

【解答】
〇

原則、代理人が詐欺を受けた場合、代理人を基準に考えるため詐欺による取り消しができる
例外として、本人が詐欺等の事実を知っていたり（悪意）、または過失がある（有過失）場合、取り消しはできない

【解説】

代理人の意思表示の瑕疵（詐欺を受けた場合とか強迫を受けた場合等）については、代理人を基準に判断するのが原則です。

ただし、例外として、虚偽の事実を告げられている事情を本人Ｂが「知っていた場合（悪意）」場合、
もしくは「知らなかったとしても過失がある場合（善意有過失）」、本人を保護する必要性は低いので、詐欺による取消しはできません。

本問は、本人が、「代理人が詐欺を受けていること」を知っていた場合にあたるので、本人Ｂは詐欺による取り消しはできません。