独学合格プログラム

平成14年 問13-4 借地権

【問題】Aが、平成4年8月、Bに土地を賃貸し、Bがその土地上に建物を所有している場合、Bが適法にAに建物買取請求権を行使すると、その所有権は直ちにBからAに移転するが、BはAが代金を支払うまで、建物の引渡しを拒むことができる。

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【問題】Aが、平成4年8月、Bに土地を賃貸し、Bがその土地上に建物を所有している場合、Bが適法にAに建物買取請求権を行使すると、その所有権は直ちにBからAに移転するが、BはAが代金を支払うまで、建物の引渡しを拒むことができる。

【解答】

「借地権者の建物の引渡し債務」と「借地権設定者の代金支払い債務」とは同時履行の関係に立つ

【解説】

本問を具体的に説明するために、AB間の借地契約が期間満了で終了し、更新されず、借地権者Bに建物買取請求権が発生した場合を考えます。そして借地権者Bが建物買取請求権を行使すると、借地権設定者Aの「承諾なく」、建物の「売買契約が成立」したものとみなされます。つまり、借地権者Bは建物の代金を請求することができます。そして、「借地権者Bの建物の引渡し債務」と「借地権設定者Aの代金支払債務」は同時履行の関係になるので、借地権設定者Aが代金を支払うまで、借地権者Bは建物の引渡しを拒むことができます。したがって、本問は正しいです。

もし、もともと契約終了の原因が、借地権者Bが地代を支払わない等の借地権者のが原因であれば、借地権者が悪いので、建物買取請求権を行使することはできません。(下段の①参照)

■同時履行の関係とは

当事者双方が同時に履行することを言います。

例えば、Aさん売主、Bさん買主で土地の売買契約をしたとします。 この場合の多くが、Aさんの「土地を引渡す義務」と、Bさんの「お金を払う義務」は同時に行われます。

同時履行の関係にあるもの

  • 売買契約における、買主の「代金支払い債務」と売主の「引渡し債務+所有権移転協力義務」
  • 契約が解除された場合の売主の「原状回復義務」と買主の「原状回復義務」
    ※売主の原状回復義務:代金返還+利息の支払い
    ※買主の原状回復義務:引渡し+抹消登記+使用したことによる利益(賃料)の支払い
  • 請負契約における注文者の「報酬支払債務」と請負人の「目的物の引渡し債務」
    例) 建築請負の場合、建物を引渡すと同時に報酬を支払うことになります。「建物の完成」と「支払い」が同時ではない点に注意してください!
  • 請負契約における建物に瑕疵があった場合の注文者の「報酬支払債務」と請負人の「瑕疵修補義務に代わる損害賠償債務」
  • 買主Bが売主Aを騙してA所有の土地について売買契約をした後、詐欺取消しによって生じるBの「代金返還請求」とAの「土地の返還請求」
    ⇒詐欺をしたBが得しているように思うかもしれませんが判例なので、そのまま覚えてください。
  • 弁済(代金の支払いなど)と受取証書の交付
  • 借地契約の終了にともない、借地権者が建物買取請求権の行使をした場合の、地主(借地権設定者)の「代金支払い義務」と借地権者の「土地・建物の明け渡し義務」

同時履行の関係にないもの

  • 賃貸借契約における貸主の「敷金返還債務」と借主の「明渡し債務」 →「借主の明渡し」が先で、その後に「借主は敷金返還請求」ができる。
  • 賃貸借契約における賃貸人の「引渡債務」と、賃借人の「賃料支払債務
    ※賃料の支払い時期は、原則、後払い。(特約で支払い時期を定めることは可能)
  • 抵当権設定契約における抵当権者の「抵当権抹消債務」と抵当権設定者等の「弁済」
    →抵当権設定者等の弁済が先で、その後に、抵当権設定者は抵当権抹消請求ができる。そもそも、抵当権には付従性という性質があるため、借主が弁済した時点で、当然に抵当権は消滅します(登記簿上は残っていますが)。

建物買取請求できる場合とできない場合

tatemonokaitoriseikyu-dekiru-dekinai


平成14年・2002年の過去問

問1 詐欺 1 2 3 4
問2 代理 1 2 3 4
問3 占有権 1 2 3 4
問4 相隣関係/地役権 1 2 3 4
問5 質権/担保物権 1 2 3 4
問6 抵当権 1 2 3 4
問7 債務不履行 1 2 3 4
問8 債務不履行 1 2 3 4
問9 契約不適合責任 1 2 3 4
問10 委任契約 1 2 3 4
問11 使用者責任 1 2 3 4
問12 相続 1 2 3 4
問13 借地権 1 2 3 4
問14 借家権 1 2 3 4
問15 法改正により削除 2 3 4
問16 国土利用計画法 1 2 3 4
問17 1 2 3 4
問18 都市計画法・開発許可 1 2 3 4
問19 都市計画法・開発許可 1 2 3 4
問20 建築基準法 1 2 3 4
問21 建築基準法 1 2 3 4
問22 土地区画整理法 1 2 3 4
問23 農地法 1 2 3 4
問24 その他法令 1 2 3 4
問25 その他法令 1 2 3 4
問26 1 2 3 4
問27 登録免許税 1 2 3 4
問28 固定資産税 1 2 3 4
問29 1 2 3 4
問30 免許の要否 1 2 3 4
問31 宅建業法総合 1 2 3 4
問32 業務上の規制 1 2 3 4
問33 保証協会 1 2 3 4
問34 媒介契約 1 2 3 4
問35 取引士 1 2 3 4
問36 宅建業法総合 1 2 3 4
問37 35条書面 1 2 3 4
問38 35条書面・37条書面 1 2 3 4
問39 1 2 3 4
問40 8種制限 1 2 3 4
問41 8種制限 1 2 3 4
問42 1 2 3 4
問43 保証協会 1 2 3 4
問44 監督処分 1 2 3 4
問45 クーリングオフ 1 2 3 4
問46 住宅金融公庫 法改正により削除
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 1 2 3 4