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平成20年　問10-4　借家権

【問題】
Ａは、自己所有の甲建物 (居住用) をＢに賃貸し、引渡しも終わり、敷金５０万円を受領した。甲建物の抵当権者がＡのＢに対する賃料債権につき物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合においても、その賃料が支払われないまま賃貸借契約が終了し、甲建物がＢからＡに明け渡されたときは、その未払賃料債権は敷金の充当により、その限度で消滅する。

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【解答】
○

明渡し後、未払い賃料は敷金から当然に充当される　⇒　賃料債務は消滅　⇒　賃料債権を差し押さえた抵当権者は敷金に対して物上代位できない

【解説】

【問題文の状況】

・Ａ所有の甲建物はＢが賃借しています。
・甲建物は抵当権が設定されていて、抵当権者がいる。
・抵当権者は賃料債権を差し押さえた＝Ｂは「Ａに支払うべき賃料」を抵当権者に支払うことになる。

例えば、抵当権者が賃料債権を差押後、２０万円の賃料を未払いのままＡＢ間の賃貸借契約が終了すると、普通に考えれば、賃料債権を差し押さえている抵当権者が敷金５０万円の中から２０万円をもらえると考えます。

しかし、判例ではそのように考えていません。契約が終了すれば、未払い賃料は敷金から払われたものとみなし、賃料債権は敷金から払われた部分については消滅していると考えます。つまり、未払い賃料債権（２０万円）は敷金から充当されたものとみなし（敷金と相殺されたとみなし）契約終了と同時に賃料債権が消滅して、残りの３０万円の敷金をＡがＢに返せばよいとしています。したがって、差し押さえた賃料債権が消滅しているため、抵当権者は物上代位するもの（賃料債権）がないため、物上代位権を主張できないわけです。つまり、抵当権者は差し押さえた賃料債権をもって敷金から未払い賃料を請求することはできません。

平成20年・2008年の過去問

問1	制限行為能力者	1	2	3	4
問2	物権変動	1	2	3	4
問3	代理	1	2	3	4
問4	抵当権	1	2	3	4
問5	詐害行為取消権	1	2	3	4
問6	連帯債務と連帯保証	1	2	3	4
問7	委任	1	2	3	4
問8	弁済	1	2	3	4
問9	契約不適合責任	1	2	3	4
問10	借家権	1	2	3	4
問11	不法行為	1	2	3	4
問12	遺言	1	2	3	4
問13	賃貸借	1	2	3	4
問14	借家権	1	2	3	4
問15	区分所有法	1	2	3	4
問16	不動産登記法	1	2	3	4
問17	国土利用計画法	1	2	3	4
問18	都市計画法	1	2	3	4
問19	都市計画法/開発許可	1	2	3	4
問20	建築基準法	1	2	3	4
問21	建築基準法	1	2	3	4
問22	宅地造成等規制法	1	2	3	4
問23	土地区画整理法	1	2	3	4
問24	農地法	1	2	3	4
問25	その他法令	1	2	3	4
問26	所得税	1	2	3	4
問27	印紙税	1	2	3	4
問28	固定資産税	1	2	3	4
問29	不動産鑑定評価基準	1	2	3	4
問30	免許・取引士	1	2	3	4
問31	免許の基準	1	2	3	4
問32	業務上の規制	1	2	3	4
問33	取引士	1	2	3	4
問34	営業保証金	1	2	3	4
問35	媒介契約	ｱ	ｲ	ｳ
問36	重要事項説明	ｱ	ｲ	ｳ	ｴ
問37	重要事項説明・35条書面	1	2	3	4
問38	業務上の規制	1	2	3	4
問39	クーリングオフ	1	2	3	4
問40	８種制限	1	2	3	4
問41	手付金等の保全措置	1	2	3	4
問42	業務上の規制	1	2	3	4
問43	報酬	1	2	3	4
問44	保証協会	1	2	3	4
問45	監督処分	1	2	3	4
問46	住宅金融支援機構	1	2	3	4
問47	不当景品類及び不当表示防止法	1	2	3	4
問48	統計
問49	土地	1	2	3	4
問50	建物	1	2	3	4

キーワード: 借家権, 平成20年過去問

平成20年 問10-4 借家権

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