平成20年 問6-3 連帯債務 連帯保証(改正)
AからBとCとが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れる場合と、DからEが1,000万円を借り入れ、Fがその借入金返済債務についてEと連帯して保証する場合、Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる。Eについて時効が完成した場合にはFが、Fについて時効が完成した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる。
AからBとCとが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れる場合と、DからEが1,000万円を借り入れ、Fがその借入金返済債務についてEと連帯して保証する場合、Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる。Eについて時効が完成した場合にはFが、Fについて時効が完成した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる。
【解答】
×
連帯債務:時効完成は相対効 / 連帯保証:主たる債務者に生じた事由はすべて絶対効、連帯保証人に対する時効完成は相対効
【解説】
問題の状況は下図の通りで、問題文は連帯保証と連帯債務の2つのパターンについて記述されています。A・B・Cについては連帯債務、D・E・Fについては連帯保証です。
【A・B・Cの連帯債務について】
連帯債務者Bの債務が時効により消滅すると、Bは債務者ではなくなります。すると、Cは一人で債権者Aに対して1000万円の債務を負うこととなります。
したがって、「連帯債務者Bについて時効が完成した場合にはCが500万円分の債務を免れる」という記述は誤りです。
また逆に、 「連帯債務者Cについて時効が完成した場合にはBが500万円分の債務を免れる」という記述も誤りです。
これは、AC間のルールであり、もし、その後、CがAに1000万円を弁済した場合、Cは「時効完成した連帯債務者B」に対して「負担部分である500万円は返して!」と求償(請求)することはできます。(BC間での求償権は残る)・・Bの時効が完成したとしても、Cに求償されることで、結果的に負担部分の責任は負うということ。
▼なぜ、時効完成が相対効なのか?
そもそも、連帯債務とは、債務者を複数人存在させることにより債権者をより保護するための制度です。ある債務者Bについて時効が完成したからと言って、他の連帯債務者Cに対する債権まで負担部分(500万円)について時効となるのは、債権者を保護することと矛盾しています。また、資力のある債務者Cに対しては、請求などを行っているにもかかわらず、資力のない債務者Bについては、資力がないため請求(裁判)等もせずに時効となることにより、資力のある債務者Cまで時効の効力が及んでしまうことは債権者Aにとっては酷です。そのため、時効の完成については相対効となっています。
【 D・E・Fの連帯保証について】
次に、後半部分、連帯保証についてです。
この部分は2つの問題に分けられます。
Ⅰ) Eについて時効が完成した場合にはFが、全額の債務を免れる。〇か×か?
Ⅱ ) Fについて時効が完成した場合にはEが、全額の債務を免れる。〇か×か?
■Ⅰ)について(主たる債務者の時効が完成)
主たる債務者について消滅時効が完成すれば、保証債務の付従性(主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅する)により、連帯保証人はその保証債務を免れます。したがって、この部分は正しいです。
■ Ⅱ )について(連帯保証人の時効が完成)
連帯保証人Fの債務が時効完成により消滅すると、Fは債務者ではなくなります。この「債務の消滅」という効力は主たる債務者Eに影響しません(=相対効)。つまり、主たる債務者Eが債権者Dに1000万円の債務を負うという事実に変わりはないということです。単にFの時効完成により保証人がいなくなっただけです。
したがって、「連帯保証人Fについて時効が完成した場合にはEが、全額の債務を免れる。 」という記述は誤りです。
平成20年・2008年の過去問
問1 | 制限行為能力者 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 代理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 詐害行為取消権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 連帯債務と連帯保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 委任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 弁済 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 契約不適合責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 不法行為 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 遺言 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 賃貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 都市計画法/開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | その他法令 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 所得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 固定資産税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 免許・取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 媒介契約 | ア | イ | ウ | |
問36 | 重要事項説明 | ア | イ | ウ | エ |
問37 | 重要事項説明・35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問38 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 手付金等の保全措置 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 報酬 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |