平成20年 問13-3 借地権 賃貸借
Aが所有している甲土地を平置きの駐車場用地として利用しようとするBに貸す場合と、一時使用目的ではなく建物所有目的を有するCに貸す場合、土地賃貸借契約の期間を定めなかった場合、Aは、Bに対しては、賃貸借契約開始から1年が経過すればいつでも解約の申入れをすることができるのに対し、Cに対しては、賃貸借契約開始から30年が経過しなければ解約の申入れをすることができない。
Aが所有している甲土地を平置きの駐車場用地として利用しようとするBに貸す場合と、一時使用目的ではなく建物所有目的を有するCに貸す場合、土地賃貸借契約の期間を定めなかった場合、Aは、Bに対しては、賃貸借契約開始から1年が経過すればいつでも解約の申入れをすることができるのに対し、Cに対しては、賃貸借契約開始から30年が経過しなければ解約の申入れをすることができない。
【解答】
×
【解説】
民法(一時使用) → 賃貸借期間を定めなかった場合、賃貸人・賃借人のどちらについても、「いつでも」解約の申入れをすることができる申入れから1年が経過すると賃貸借契約は終了します。
借地借家法(建物所有目的の土地の賃貸借) → 賃貸借期間を定めなかった場合、存続期間は30年となり、30年間は原則解約できない。そして、借地権者(賃借人)の更新請求に対して、借地権設定者(賃貸人)が異議を述べ、正当事由が認められた場合に限り、契約は終了する
ポイントは上記の通りですが、問題文の状況では「期間を定めなかった」という記述から存続期間(契約期間)の取り決めをしなかったことが分かります。
そして、AB間の甲土地の賃貸借については、「平置きの駐車場用地」を目的とした土地の賃貸借なので、借地借家法の適用はなく、民法が適用されます。一方、AC間の甲土地の賃貸借については「建物所有」を目的とした土地の賃貸借なので借地借家法が適用されます。
ちなみに、AC間の建物所有目的の賃貸借について「一時使用目的」の場合には、借地借家法の存続期間や契約更新などに関する規定が適用されないので、本問は純粋に借地借家法を考えればよいと言う事です。
【AB間の賃貸借について(民法適用)】
賃貸借期間を定めなかった場合、賃貸人・賃借人のどちらについても、「いつでも」解約の申入れをすることができます。
そして、「土地の場合、申入れから1年」が経過すると賃貸借契約は終了します。
ちなみに「建物の場合、申入れから3ヶ月」経過で賃貸借契約は終了します。
したがって、「Aは、Bに対しては、賃貸借契約開始から1年が経過すればいつでも解約の申入れをすることができる」という記述は誤りです。
いつでも解約の申入れはできます。
【AC間の賃貸借について(借地借家法適用)】
借地権の存続期間は最低でも30年です。それより短い期間で設定したり、また賃貸借期間を定めなかった場合は、存続期間は30年となります。すると、この期間中は原則解約できません。
そして、30年が経過した時に、建物が存在していると、借地権者(賃借人)は、借地権設定者(賃貸人)に対して「更新させてください!」と主張することができ、原則、更新されます(請求による更新)。ただし、借地権設定者(地主)が「正当事由をもって異議を述べた」場合、契約は終了します。したがって、「Aは、Cに対しては、賃貸借契約開始から30年が経過しなければ解約の申入れをすることができない」という記述は正しいと考えられます。
平成20年・2008年の過去問
問1 | 制限行為能力者 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 代理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 詐害行為取消権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 連帯債務と連帯保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 委任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 弁済 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 契約不適合責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 不法行為 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 遺言 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 賃貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 都市計画法/開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | その他法令 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 所得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 固定資産税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 免許・取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 媒介契約 | ア | イ | ウ | |
問36 | 重要事項説明 | ア | イ | ウ | エ |
問37 | 重要事項説明・35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問38 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 手付金等の保全措置 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 報酬 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |