独学合格プログラム

平成20年 問40-4 担保責任の特約制限

【問題】
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結する場合について、Bが行う契約不適合責任を追及するための通知期間として、引渡しの日から2年で、かつ、Bが契約不適合を発見した時から30日以内とする特約を定めることができる。

 

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【問題】
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結する場合について、Bが行う契約不適合責任を追及するための通知期間として、引渡しの日から2年で、かつ、Bが契約不適合を発見した時から30日以内とする特約を定めることができる。

 

【解答】
×

担保責任に関する特約 → 引き渡しから2年以上
上記以外に民法より不利な特約は無効

【解説】

この問題は「引渡しの日から2年で、かつ、Bが契約不適合を発見した時から30日以内」がどういうことか理解できないと答えを導くことができません。

これは、例えば、「引渡しから1年経過」し、その時に契約不適合を見つけた場合、その日から30日以内に、買主Bは、通知しなければ、その後、売主業者Aに責任追及することができなくなります。

ということは、引渡しから2年より前に、通知しなければならない場合があるため、

買主にとって「引渡しから2年」よりも不利な特約です。

つまり、本特約は無効となり、民法の原則に戻って、

買主が行う契約不適合の旨の通知期間は「買主が契約不適合を知ってから1年」となります。

(宅建業法)

宅建業法における「担保責任の特約制限」に関する問題です。これを理解する為には、民法の契約不適合責任をまず頭に入れる必要があります。

民法の契約不適合責任

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、 買主は、その不適合を理由として、①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除をすることができくなります

つまり、売主が、契約内容に適合しない不動産を引渡した場合、買主は不適合を知ってから1年以内に「この部分が不適合ですよ!」と通知しないと、買主は、売主に対して責任追及できなくなる(①~④の権利を行使できなくなる)ということです。

宅建業法の担保責任の特約制限

宅建業法では、売主が宅建業者・買主が非宅建業者の場合、契約不適合に関する通知期間を「その目的物の引渡しの日から2年以上となる特約」は許される(有効)が、それ以外の特約については、民法の契約不適合責任の規定より買主に不利となる特約をしてはならない(無効となる)としています。

無効となった場合、民法の原則に立ち返り、 買主は、売主業者に対して、契約不適合に関する通知期間は「契約不適合を知ってから1年以内」に行えばよいことになります。

【具体例】

宅建業者が自ら売主として宅建業者でない者に対して建物を販売した場合、契約不適合責任の通知期間を

  • 引き渡しの日から1年と特約した場合⇒無効⇒民法の原則に戻って、買主の通知期間は「買主が契約不適合を知った時から1年」となる
  • 引き渡しの日から2年と特約した場合⇒有効
  • 引き渡しの日から3年と特約した場合⇒有効
  • 買主が契約不適合を知った日から6か月とする特約をした場合⇒無効⇒民法の原則に戻って、買主の通知期間は「買主が契約不適合を知った時から1年」となる
  • 買主が契約不適合を知った日から1年とする特約をした場合⇒有効(民法通りだから)
  • 買主が契約不適合を知った日から1年半とする特約をした場合⇒有効(民法より買主に有利だから)
  • 買主が契約不適合を知った日から2年とする特約をした場合⇒有効(民法より買主に有利だから)

また、特約で、「契約不適合がある場合、買主は損害賠償請求のみできる」とした場合、民法(①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除ができる)よりも不利になるので、無効となり、民法通り、「①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除」ができるとなる。
※ 民法上、買主に帰責事由がある場合、①②④はできない
※ 民法上、売主に帰責事由がない場合、③はできない


平成20年・2008年の過去問

問1 制限行為能力者 1 2 3 4
問2 物権変動 1 2 3 4
問3 代理 1 2 3 4
問4 抵当権 1 2 3 4
問5 1 2 3 4
問6 連帯債務と連帯保証 1 2 3 4
問7 委任 1 2 3 4
問8 弁済 1 2 3 4
問9 契約不適合責任 1 2 3 4
問10 借家権 1 2 3 4
問11 不法行為 1 2 3 4
問12 遺言 1 2 3 4
問13 賃貸借 1 2 3 4
問14 借家権 1 2 3 4
問15 区分所有法 1 2 3 4
問16 不動産登記法 1 2 3 4
問17 国土利用計画法 1 2 3 4
問18 都市計画法 1 2 3 4
問19 都市計画法/開発許可 1 2 3 4
問20 建築基準法 1 2 3 4
問21 建築基準法 1 2 3 4
問22 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問23 土地区画整理法 1 2 3 4
問24 農地法 1 2 3 4
問25 1 2 3 4
問26 所得税 1 2 3 4
問27 1 2 3 4
問28 1 2 3 4
問29 不動産鑑定評価基準 1 2 3 4
問30 ・取引士 1 2 3 4
問31 免許の基準 1 2 3 4
問32 業務上の規制 1 2 3 4
問33 取引士 1 2 3 4
問34 1 2 3 4
問35 媒介契約
問36 重要事項説明
問37 重要事項説明・35条書面 1 2 3 4
問38 業務上の規制 1 2 3 4
問39 クーリングオフ 1 2 3 4
問40 8種制限 1 2 3 4
問41 手付金等の保全措置 1 2 3 4
問42 業務上の規制 1 2 3 4
問43 報酬 1 2 3 4
問44 保証協会 1 2 3 4
問45 1 2 3 4
問46 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4