平成23年 問8-4 契約関係
AがBに対して金銭の支払いを求める場合における次の記述は、AのBに対する債権が契約に基づいて発生するか。BはDに200万円の借金があり、その返済に困っているのを見かねたAが、Bから頼まれたわけではないが、Bに代わってDに対して借金の返済を行った。Bの意思に反する弁済ではないとして、AがDに支払った200万円につき、AがBに対して支払いを求める場合。
AがBに対して金銭の支払いを求める場合における次の記述は、AのBに対する債権が契約に基づいて発生するか。BはDに200万円の借金があり、その返済に困っているのを見かねたAが、Bから頼まれたわけではないが、Bに代わってDに対して借金の返済を行った。Bの意思に反する弁済ではないとして、AがDに支払った200万円につき、AがBに対して支払いを求める場合。
【解答】
×(契約に基づいて発生しない)
【解説】
BD間は金銭消費貸借契約を結んでいたと考えれます。それに対して、Bがお金を返さないため、Aが代わりに弁済したわけです。(代位弁済)
そして、代位弁済(第三者弁済)をすると、Dが有していた貸金債権が当然にAに移転し、Aは当然にBに対して200万円の返還請求ができるようになります。これを「求償」と言います。
つまり、AB間で何の契約もなく、代位弁済をすることで当然に求償の権利を取得します。
■法定代位か任意代位か?
正直ここまでは考えなくてもいいのですが、法定代位と任意代位の違いは理解しておく必要があるので、一応解説します。
法定代位とは、保証人などの「正当な利益を有する者」が弁済した際に、債権者Dの有する債権が当然に弁済した者(上図ではD)に移転することを言います。
一方、任意代位とは、何の利害関係のない(正当な利益を有する者以外の)者が弁済をした場合、その弁済と同時に「債権者の承諾を得て」、債権者Dの有する債権が移転することを言います。
本問は、第三者弁済をしたAは、保証人といった記述はなく、「Bから頼まれたわけではない」と記述されているので、任意代位かな?と推測できます。もし、任意代位であれば、債権者Dの承諾を得て、債権を移転してもらう形になります。「債権者Dの承諾」の記述はないですが、「AがDに支払った200万円につき、AがBに対して支払いを求める場合」となっているので、承諾はもらったものとして考えます。
ただ、法定代位であっても任意代位であっても、AがBに対して200万円の支払いを求めるのは、AB間の契約が原因ではなく、第三者弁済が原因です。
したがって、上記のような細かいことを考えなくても答えは導けます!
ただ、法定代位と任意代位の違いは頭に入れておきましょう!
法定代位と任意代位
第三者が弁済することにより、債務者の債務は消滅します。債務者が支払うべき債務を第三者が支払ったのだから、第三者は「私が払った(立て替えた)分は私に返せ!」と請求することができます。これを「求償権(きゅうしょうけん)」と言います。
言い換えると、もともと債権者が「お金を返せ!」と主張できた「債権者の地位」が、そのまま弁済した第三者に移ったと考えると分かりやすいです。これを「代位(だいい)」といいます。
代位には「法定代位」と「任意代位」の2つがあります。
法定代位
弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって「当然に債権者に代位」することを法定代位という。
弁済したら自動的に債権が、弁済した者に移転します。
※「正当な利益を有する者」とは、保証人・連帯保証人・連帯債務者、物上保証人、抵当不動産の第三取得者、後順位抵当権者、借地上建物の賃借人等です。
任意代位
正当な利益を有する者以外が弁済をした場合、その弁済と同時に「債権者の承諾を得て」、債権者に代位することを任意代位という。
弁済と同時に債権者の承諾を得ると、債権が、弁済した者に移転します。
平成23年・2011年の過去問
問1 | 意思表示 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 停止条件 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 共有 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 根抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 債権譲渡 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 相殺 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 転貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 契約関係 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 判決文(請負) | 1~4 | |||
問10 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 固定資産税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 地価公示法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 免許の要否 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 重要事項説明 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 重要事項説明 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 35条書面・37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | クーリングオフ | ア | イ | ウ | |
問36 | 広告 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 損害賠償額の予定等 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問38 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 報酬 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 業務上の規制 | ア | イ | ウ | エ |
問42 | 案内所 | ア | イ | ウ | |
問43 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |