平成15年 問10-2 契約不適合責任(改正)
【問題】
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができないときは、Aは直ちに契約解除ができる。ただし、当該欠陥について買主に帰責事由はなかったものとする。(改)
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができないときは、Aは直ちに契約解除ができる。ただし、当該欠陥について買主に帰責事由はなかったものとする。(改)
【問題】
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができないときは、Aは直ちに契約解除ができる。ただし、当該欠陥について買主に帰責事由はなかったものとする。(改)
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができないときは、Aは直ちに契約解除ができる。ただし、当該欠陥について買主に帰責事由はなかったものとする。(改)
【解答】
×
契約内容に適合しない瑕疵→契約不適合責任(債務不履行責任の一種)→契約解除ができる
無催告解除については一定の場合のみ
【解説】
本問は下記「無催告解除」ができる場合(1~5)に当たらないので、相当期間を定めて催告した上で、期間内に履行がない場合に、契約解除ができます。(=催告による解除)
したがって、「Aは直ちに契約解除ができる(無催告解除)」は誤りです。
契約解除には「催告による解除」と「無催告解除(催告をせずに解除できる)」の2つがあります。
催告による解除
債務不履行(債務者の帰責事由)は要件ではない =債務者の責任がなくても、履行しない場合、催告して解除できる
※「軽微」とは、例えば、登記義務について、書類の一部が足りず、すぐ用意はできるけど、時間がなく登記できなかった場合等
※催告による解除、下記無催告解除いずれにおいても債務者に過失等がなくても(帰責事由がなくても)、解除することができる
【理由】 「解除」とは、債権者が、契約の拘束からの解放できるようにするための制度。そのため、債務者の過失の有無は関係ない。
催告をしなくても解除(無催告解除)ができる場合
- 履行不能の場合 →契約成立後、建物が火災で滅失した場合
- 債務者が債務の全部の履行を拒絶している場合 →土地の売買契約締結後、売主が「土地を引き渡しません!」と拒絶している場合
- 「債務の一部が履行不能」または「債務者が債務の一部を履行を拒絶」によって残存する部分のみでは契約の目的を達成できない場合 →隣接する2つ土地の売買契約締結後、売主が「一つの土地は引き渡しません!」と拒絶しており、他方の土地だけでは、希望の建物が建築できない場合
- 特定の日時・一定期間内に債務を履行をしないと目的を達成できない場合に、その時期が過ぎた場合 →結婚式の宴会に有名人Aに歌を披露してもらう契約をして、結婚式当日にAがこれなくなった場合、意味がないので、催告なしで解除できる
- 上記①~④以外でも債務者が債務を履行せず、催告しても履行の見込みがないことが明らかな場合 →建築請負契約締結したにもかかわらず、当該建築するための機材や人員が足らない場合(注文者が催告したとしても、請負人は建物を完成できる見込みがないから)
債権者の過失等(帰責事由)により債務不履行となった場合どうなるか?
債権者の過失等(帰責事由)により債務不履行となった場合、債権者は契約解除できない!
例えば、A所有の甲地に、建物を建築してもらうよう建築業者Bと請負契約を締結した。しかし、注文者Aは甲地に廃車を積み上げて、B(債務者)が建物建築できない場合、注文者A(債権者)の責任なので、注文者Aからは契約解除はできない。
解除の効果(解除をするとどうなるか?)
- 原則:原状回復義務が生じる 例えば、①AB間で土地の売買契約を締結し、売主Aは土地を引渡し、買主Bは代金を支払った。その後、契約解除になった場合、売主は「代金を返還する義務」が生じ、買主は「土地を返還する義務」が生じる
- 例外:第三者の権利を害することはできない 例えば、①について、契約解除前に、買主Bが第三者Cに当該土地を売却し、Cが所有権の登記を備えた場合、Cの権利は保護され、解除することで、Cから所有権を奪うことはできません。(=AはCに対抗できない)
- 金銭を返還する場合、受領時からの利息も返還 ①について、売主が受領した代金を買主に返還する場合、受領した時からの利息を付けて返還しなければならない
- 金銭以外の物を返還する場合は、受領時からの果実も返還 ①について、買主が引渡しを受けた土地を返還する場合、引渡しを受けたときからの賃料相当分(=果実)を売主に支払う必要がある
- 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない ①について、契約解除となったとしても、損害賠償請求はできる
平成15年・2003年の過去問
問1 | 制限行為能力者 | 1 | 法改正により削除 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 停止条件 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 共有 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 債権譲渡 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 民法その他 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 契約不適合責任 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 法改正のため削除 | 4 |
問16 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 都市計画法/開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 都市計画法/開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | その他法令 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 所得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 登録免許税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 固定資産税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 地価公示 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 免許の要否 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 宅建業法総合 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問38 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 解約手付 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 報酬 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 35条書面・媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融公庫 | 法改正のため省略 | |||
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |