独学合格プログラム

【問題】
Ａ所有の土地につき、ＡとＢとの間で売買契約を締結した場合について、Ａの売渡し申込みの意思は真意ではなく、ＢもＡの意思が真意ではないことを知っていた場合、ＡとＢとの意思は合致しているので、売買契約は有効である。

 

【解答】
×

心裡留保　→　原則、契約は有効。例外として相手方が「悪意」or「有過失」の場合は無効

【解説】

まず、ＡがＢに土地を売却したのですが、「Ａの売渡し申込みの意思は真意ではなく」と記述されています。

「真意ではない」とは「冗談」のことです。つまり、Ａは冗談で、「売ってあげるよ！」といったわけです。

この「冗談」のことを、法律用語で「心裡留保」といいます。

心裡留保（冗談）の場合、原則、契約は有効ですが、例外として、相手方Ｂが、Ａが冗談で言っていることを「知っていたり（悪意）」、知らなかったとして、知らないことに過失がある場合（少し注意がすれば冗談だと分かる場合：善意有過失）は契約は無効となります。

つまり、これをまとめると、下表のように、

相手方Ｂが「悪意」もしくは「善意有過失」の場合は、冗談で意思表示をしたＡを保護して、契約は無効になり、

相手方Ｂが「善意無過失」の場合は、何の落ち度もなく、冗談であることを知らないＢを保護して契約を有効としています。

ここで本問をみると、「ＢもＡの意思が真意ではないことを知っていた場合」ということは、Ｂは「悪意」だということが分かります。

したがって、この場合、冗談で言ったＡを保護し、契約は無効となるわけです。