独学合格プログラム

平成16年 問8-2 相殺(改正)

【問題】
Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。またAは敷金300万円をBに預託し、敷金は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。
AがBに対しBの悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権を有した場合、Aは、このBに対する損害賠償請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。(改)

 

>解答と解説はこちら

【問題】
Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。またAは敷金300万円をBに預託し、敷金は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。
AがBに対しBの悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権を有した場合、Aは、このBに対する損害賠償請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。(改)

 

【解答】
×

不法行為の被害者からは相殺することができる。加害者からは相殺することはできない

【解説】

H16-8-2-k

被害者救済の観点から、下記①②に基づく不法行為による損害賠償は現実にお金を支払う必要があります。(加害者から相殺できない行為

損害を与える意思(悪意と呼ぶ)による不法行為

人の生命・身体の侵害による不法行為

そのため、①②の加害者からは相殺することができないのです。

相殺できると仮定すると、加害者は損害賠償のお金を払う必要がなくなります。

そうなると、被害者を救済できないので、加害者から相殺することはできないとしています。

これを法律用語でいうと、「上記不法行為に基づく損害賠償請求権(被害者が持つ権利)を「受働債権」として相殺することはできない」と言います。

逆に、被害者からは相殺できるので、上記不法行為に基づく損害賠償請求権(被害者が持つ権利)を「自働債権」として相殺することはできます

ここまでが基本事項で、問題文を確認します!

▼問題文の理解

「AがBに対し、悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権を有した」ということは、Aが被害者、Bが加害者ということです。そして、上記①に該当します。

そして、「被害者Aは、この加害者Bに対する損害賠償請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。」となっていますが、

被害者のA側からは相殺で債務を消滅させることはできます(Aは、AのBに対する損害賠償請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる)。

したがって、誤りです。

相殺を主張できないのは、加害者Bからの相殺=被害者Aの損害賠償債権を「受働債権」とする場合です。

▼相殺の自働債権と受働債権が分からない場合は、下記をご覧ください!

相殺とは?

sousai

相殺とは、貸し借り、損得などを互いに消し合って、ゼロにすることです。

例えば、AがBにお金を貸し、返済期限(弁済期)が1月10だった場合、Aは「Bに対する債権」を有することになります。この債権を「AのBに対する債権」という呼び方をします。

一方、BがAにお金を貸し、返済期限が1月20日だった場合、Bは「Aに対する債権」を有することになり、この債権を「BのAに対する債権」と呼びます。

「AのBに対する債権」・・・・Aの(有する)債権なので、Aが債権者 → Bが債務者

「BのAに対する債権」・・・・Bの(有する)債権なので、Bが債権者 → Aが債務者

自働債権と受働債権

上図において、AがBに対して、「相殺させてください!」といった場合、「相殺させてください!」と主張した側が有する債権を自働債権と呼びます。

つまり、「AのBに対する債権」が自働債権(相殺しようとする側)です。

一方、相殺を主張された側であるBが有する「BのAに対する債権」を受働債権(相殺される側)と言います。


平成16年・2004年の過去問

問1 意思表示 1 2 3 4
問2 代理 1 2 3 4
問3 物権変動 1 2 3 4
問4 1 2 3 4
問5 1 2 3 4
問6 連帯保証/連帯債務 1 2 3 4
問7 相隣関係 1 2 3 4
問8 相殺 1 2 3 4
問9 物権変動 1 2 3 4
問10 契約不適合責任 1 2 3 4
問11 民法その他 1 2 3 4
問12 相続 1 2 3 4
問13 借家権 1 2 3 4
問14 借家権 1 2 3 4
問15 不動産登記法 1 2 3 4
問16 国土利用計画法 1 2 3 4
問17 1 2 3 4
問18 都市計画法/開発許可 1 2 3 4
問19 都市計画法/開発許可 1 2 3 4
問20 建築基準法 1 2 3 4
問21 建築基準法 1 2 3 4
問22 土地区画整理法 1 2 3 4
問23 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問24 農地法 1 2 3 4
問25 その他法令 1 2 3 4
問26 不動産取得税 1 2 3 4
問27 1 2 3 4
問28 印紙税 1 2 3 4
問29 不動産鑑定評価基準 1 2 3 4
問30 免許の要否 1 2 3 4
問31 免許の基準 1 2 3 4
問32 免許の基準 1 2 3 4
問33 取引士 1 2 3 4
問34 取引士 1 2 3 4
問35 営業保証金/8種制限 1 2 3 4
問36 広告 1 2 3 4
問37 35条書面 1 2 3 4
問38 35条書面 1 2 3 4
問39 1 2 3 4
問40 8種制限 1 2 3 4
問41 報酬計算 計算問題
問42 8種制限 1 2 3 4
問43 案内所 1 2 3 4
問44 業務上の規制 1 2 3 4
問45 宅建業法総合 1 2 3 4
問46 住宅金融公庫 法改正のため省略
問47 1 2 3 4
問48 統計
問49 建物 1 2 3 4
問50 土地 1 2 3 4