平成30年 問5-4 事務管理
【問題】
Aは、隣人Bの留守中に台風が接近して、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Bからの依頼なくB宅の屋根を修理した。AによるB宅の屋根の修理が、Bの意思に反することなく行われた場合、AはBに対し、Aが支出した有益な費用全額の償還を請求することができる。
Aは、隣人Bの留守中に台風が接近して、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Bからの依頼なくB宅の屋根を修理した。AによるB宅の屋根の修理が、Bの意思に反することなく行われた場合、AはBに対し、Aが支出した有益な費用全額の償還を請求することができる。
【問題】
Aは、隣人Bの留守中に台風が接近して、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Bからの依頼なくB宅の屋根を修理した。AによるB宅の屋根の修理が、Bの意思に反することなく行われた場合、AはBに対し、Aが支出した有益な費用全額の償還を請求することができる。
Aは、隣人Bの留守中に台風が接近して、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Bからの依頼なくB宅の屋根を修理した。AによるB宅の屋根の修理が、Bの意思に反することなく行われた場合、AはBに対し、Aが支出した有益な費用全額の償還を請求することができる。
【解答】
〇 正しい
【解説】
事務管理者Aは、本人Bの意思に反することなく、本人Bのために有益な費用を支出したときは、本人Bに対し、その償還を請求することができます。
本肢の事例で、Bが「Aの屋根の修理について納得している」場合、Aは、有益費を、本人Bに請求することができます。
もし、本人の意思に反しているのであれば、「現存利益」だけしか請求できません。
今回の事例において「現存利益」がどの部分なのかは、なかなか難しい問題なので、有益費よりは少ない金額とイメージすればよいでしょう。
「本人の意思に反する事務管理」→「現存利益まで」とキーワードで覚えていただいて大丈夫です!
事務管理のポイント
事務管理とは?
法律上の義務がないのに、他人のためにその事務を処理すること。 例:隣家の人Aが1ヶ月海外旅行に行っている間に台風が来て、隣家の屋根が飛ばされたとします。天気予報では大雨が長期間続くことから、あなたBはAから頼まれていないが、工務店に屋根の修理を頼みました。 この場合、あなたBを「(事務)管理者」で、Aを「本人」と呼びます。事務管理の要件
- ある者(管理者)が他人の事務の管理をすること
「他人」は自然人のみならず法人であってもよい - 管理者に法律上の義務がないこと
→上記例で言えば、AB間で何も契約を交わしていない=管理者Bに法律上の義務はない - 管理者が本人のためにする意思をもっていること
→あなたBはAのためのことを思って屋根の修理を頼んだ。
※自己のためにする意思があってもよい。例えば、屋根の修理をすることが、本人の利益だけ同時に自己の家に被害が及ぶのを防ぐことを目的としていてもよい。 - 管理者による管理が本人の意思又は利益に適合したものであること (判例)
→屋根の修理もせずに放っておいたら本人Aも困るので、本人の意思や利益に反していない(適合している)
本人の義務
費用償還義務→事務管理にあたり、管理者が、本人のために、有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる
管理者の義務
- 善管注意義務
→原則として、善管注意義務を負う。ただし例外として、緊急事務管理の場合は、「悪意または重過失」についてだけ損害賠償の責任を負う
例えば、Bが事務管理を行い、屋根の修理を頼んだが、 その修理業者が詐欺業者で、Aが損害を受けた場合 Bが、詐欺業者であることについて悪意もしくは、重過失の場合、AはBに損害賠償請求ができる。 ただ実際は、悪意・重過失にあたることは少ないです。 裁判をしても、BはAのために行った行為なので、軽過失になる可能性が高いです。 (ここまでは覚える必要はもちろんありません。) - 通知義務
→管理者は事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない - 事務管理の継続
→原則、管理者は、本人もしくはその相続人又は法定代理人が管理することができるようになるまで、管理を継続しなければならない。ただし(例外)、管理の継続が本人の意思に反し、又は本人のために不利なことが明らかなときには、管理を中止しなければならない - 報告義務(委任のルールと同様
→管理者は、本人の請求があるときは、いつでも事務管理の処理の状況を報告し、事務管理が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 - 受領物引渡義務(委任のルールと同様)
→管理者は、事務管理を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を本人に引き渡さなければならない。 - 金銭消費についての義務(委任のルールと同様)
→管理者は、本人に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお本人に損害があるときは、管理者はその賠償の責任を負う。
その他のポイント
報酬はなし→本人は管理者に報酬を支払う必要はない
平成30年・2018年の過去問
問1 | 意思表示 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 代理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 停止条件 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 時効 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 事務管理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 法定地上権・抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 債権譲渡 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 賃貸借(判決文) | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 相殺 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 都市計画法・開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 登録免許税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 不動産取得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 広告 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 建物状況調査 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 宅建業法総合 | ア | イ | ウ | エ |
問29 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 報酬 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 報酬計算 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問33 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 37条書面 | ア | イ | ウ | エ |
問35 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | クーリングオフ | ア | イ | ウ | エ |
問38 | 手付金等の保全措置 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | 重要事項説明 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 業務上の規制 | ア | イ | ウ | エ |
問41 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当表示法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | - | |||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |