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平成25年 問5-1 抵当権

【問題】
債権者が抵当権の実行として担保不動産の競売手続をする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要があるが、対象不動産に関して発生した賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要はない。

 

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【問題】
債権者が抵当権の実行として担保不動産の競売手続をする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要があるが、対象不動産に関して発生した賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要はない。

 

【解答】
×

被担保債権につき債務不履行があった後でないと物上代位できない

【解説】

H25-5-1

具体例を出して解説します!

①Aが甲建物を所有しており、Cに10万円で賃貸していた。つまり、AはCに対する「賃料債権」を有するわけです。

②Aは500万円程必要になり、Bから500万円を借りたとします。返済期限は10月20日とします。

この場合、BはAに対する500万円の「貸金債権」を有するわけです。

③Bとしては500万円が返済されないと困るので、甲建物に抵当権を設定してもらいました。抵当権者B、抵当権設定者Aということです。

ここで、問題文の「被担保債権」とは「②貸金債権」を指します。簡単に言えば、抵当権で保証してもらっている債権というイメージです。

そして、「被担保債権の弁済期」とはAが500万円をBに返済する期限である「10月20日」です。

そもそも抵当権は抵当不動産(甲建物)は所有者Aが自由に使いつつ、お金を借りることができるということが、債務者Aのメリットです。

つまり、返済期限が到来していない場合、賃料を抵当権者Bに取られることはないわけです。

ここで、返済期限10月20日になってもAがBに500万円を返済しない場合、Aは債務不履行(履行遅滞)になるので、そうなれば、約束を破ったAが悪いので、この時から、抵当権者Bは「賃料債権」を差押えて、Cから賃料10万円を回収することができます。

この「抵当権者Bが賃料債権を差押えて、Cから賃料10万円を回収すること」を「物上代位」といいます。

問題文の「対象不動産に関して発生した賃料債権に対して物上代位をしようとする場合」とは、「甲建物に関して発生した賃料を取り立てる権利に対して、抵当権を使って回収しようとする場合」と言い換えることができます。

この場合、被担保債権(貸金債権)の弁済期が到来している必要があります。

つまり、債務者Aが返済期限になっても債権者Bに返済していない(履行遅滞=債務不履行)ことが要件です。

したがって、問題文の「被担保債権の弁済期が到来している必要はない」が誤りです。

※競売手続を開始する場合も同様に債務不履行が要件なので、前半は正しいです。

物上代位性

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もし、抵当権のついた建物が火災により焼失しまった場合、抵当権者Aは担保が無くなって困ってしまいます。この場合、建物に火災保険が掛けられていれば、抵当権者Aはその火災保険金から優先的に弁済してもらえます。建物の価値が建物焼失により火災保険金(火災保険金請求権)という別の価値に代わった場合に、別の価値から弁済を受けることを物上代位(ぶつじょうだいい)と言います。宅建試験で出題される物上代位の問題は「火災保険金」と「賃料」です。

抵当権のついた建物を所有者Bが賃貸したら、Bは賃料債権(賃料をもらえる権利)を有します。そしてBが期限内にお金を返さない場合(債務不履行の場合)、債権者Aは、抵当権に基づいて、賃料から弁済を受けることができます。ただし、火災保険金も賃料も支払われる前に差押えなければなりません。


平成25年・2013年の過去問

問1 1 2 3 4
問2 1 2 3 4
問3 囲繞地通行権 1 2 3 4
問4 留置権 1 2 3 4
問5 1 2 3 4
問6 連帯保証 1 2 3 4
問7 判決文【保証】 1 2 3 4
問8 賃貸借 1 2 3 4
問9 使用者責任/ 1 2 3 4
問10 相続 1 2 3 4
問11 借家権 1 2 3 4
問12 借地権 1 2 3 4
問13 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 都市計画法 1 2 3 4
問16 都市計画法 1 2 3 4
問17 建築基準法
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 1 2 3 4
問20 土地区画整理法 1 2 3 4
問21 農地法 1 2 3 4
問22 その他法令 1 2 3 4
問23 印紙税 1 2 3 4
問24 固定資産税 1 2 3 4
問25 地価公示法 1 2 3 4
問26 1 2 3 4
問27 営業保証金 1 2 3 4
問28 媒介契約
問29 1 2 3 4
問30 重要事項説明 1 2 3 4
問31 重要事項説明
問32 業務上の規制
問33 重要事項説明 1 2 3 4
問34 8種制限・クーリングオフ 1 2 3 4
問35 37条書面
問36 37条書面 1 2 3 4
問37 報酬
問38 8種制限・解約手付 改正民法に伴い削除
問39 保証協会 1 2 3 4
問40 8種制限・手付金等の保全措置 1 2 3 4
問41 業務上の規制 1 2 3 4
問42 取引士 1 2 3 4
問43 1 2 3 4
問44 取引士
問45 1 2 3 4
問46 住宅金融支援機構 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4