平成25年 問5-3 抵当権
対象不動産について第三者が不法に占有している場合、抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではないので、事情にかかわらず抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることはできない。
対象不動産について第三者が不法に占有している場合、抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではないので、事情にかかわらず抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることはできない。
【解答】
×
抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して有する抵当不動産の維持・保存請求権を保全するため、所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することができる
【解説】
具体例をあげます。
甲建物の所有者Aが債権者Bからお金を借りて、甲建物に抵当権を設定したとします。
抵当権者Bとしては、万一Aからお金が返ってこなかった時に備えて甲建物に抵当権を設定してもらっているわけです。
ただし、抵当権者は抵当不動産(甲建物)を使用する権利はありません。あくまでも抵当不動産を使用できるのは、所有者であるAです。
そして、抵当権者としては、抵当不動産を使用することはできませんが、この抵当不動産(甲建物)の価値が下がってもらっては困るわけです。
ここで、本文に戻ります。
この甲建物(対象不動産)に第三者Cが不法に占有している場合、このCがたちの悪い不法占拠者だと「競売の進行が妨害したり」、「不動産の価値を下げるような行為(建物内のトイレや浴室やキッチンを壊す行為)をする」可能性もあります。
こんなことをされたら、競売価格に影響が出て、抵当権を設定した意味がなくなってきます。
このような場合、所有者Aは、所有権を持っているので、所有権を使って、不法占拠者Cに対して「出ていけ!」と主張することができます。
これを「妨害排除請求権」といいます。
でも、所有者Aがこの妨害排除請求権を行使(主張)しないこともあります。
そんなときのために、抵当権者は「所有者に代わって」妨害排除請求権を行使することができます。
したがって、本問の「抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることはできない」は誤りです。
ちなみに、「抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではない」は正しい記述です。
どういうことかというと、上でも解説しましたが、抵当権を設定しても、その不動産は、抵当権者は使えません。
例えば、会社員Aが銀行Bからお金を借りて甲建物を建築し、甲建物に抵当権を設定した場合、使用するのは抵当権設定者Aですよね?抵当権者である銀行は甲建物を使用しませんよね。
つまり、「抵当権設定者Aから抵当権者Bに対して占有は移転しない」わけです。
占有するのは会社員Aだからです。
この言葉遣いにも慣れておく必要があるでしょう!
平成25年・2013年の過去問
問1 | 民法の条文 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 制限行為能力者 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 囲繞地通行権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 留置権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 連帯保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 判決文【保証】 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 賃貸借 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 使用者責任/不法行為 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問10 | 相続 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 建築基準法 | ア | イ | ウ | エ |
問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | その他法令 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 印紙税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 固定資産税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 地価公示法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 媒介契約 | ア | イ | ウ | |
問29 | 重要事項説明 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 重要事項説明 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 重要事項説明 | ア | イ | ウ | エ |
問32 | 業務上の規制 | ア | イ | ウ | エ |
問33 | 重要事項説明 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 8種制限・クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 37条書面 | ア | イ | ウ | エ |
オ | |||||
問36 | 37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 報酬 | ア | イ | ウ | |
問38 | 8種制限・解約手付 | 改正民法に伴い削除 | イ | ウ | |
問39 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 8種制限・手付金等の保全措置 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問42 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 免許 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 取引士 | ア | イ | ウ | エ |
問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | - | |||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |