独学合格プログラム

平成22年 問40-1 担保責任の特約制限

【問題】
宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者でないBとの間で宅地(代金2,000万円)の売買契約を締結する場合において、BがAに対して契約不適合を理由として責任追及をする際のBが行う契約不適合の旨の通知期間を当該宅地の引渡しの日から3年とする特約をすることができる。

 

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【問題】
宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者でないBとの間で宅地(代金2,000万円)の売買契約を締結する場合において、BがAに対して契約不適合を理由として責任追及をする際のBが行う契約不適合の旨の通知期間を当該宅地の引渡しの日から3年とする特約をすることができる。

 

【解答】

担保責任に関する特約 → 買主が行う契約不適合の旨の通知期間を「引渡しの日から2年」以上となる特約をする場合を除き、民法の規定より買主に不利となる特約をすることはできない

【解説】

買主が行う契約不適合の旨の通知期間に関する特約する場合、目的物の「引渡しの日から2年以上」となる特約であれば有効です。

つまり、

「買主Bが行う契約不適合の旨の通知期間を引渡し日から2年間とする」

「買主Bが行う契約不適合の旨の通知期間を引渡し日から3年間とする」

「買主Bが行う契約不適合の旨の通知期間を引渡し日から4年間とする」

とする特約は有効です。したがって、本問は正しい記述です。

一方、

「買主Bが行う契約不適合の旨の通知期間を引渡し日から1年間とする」

「買主Bが行う契約不適合の旨の通知期間を引渡し日から1年6ヶ月間とする」

とする特約は無効です。

そして、無効となった場合、買主Bが行う契約不適合の旨の通知期間は「買主が契約不適合を知ってから1年間」となります。

この「買主が契約不適合を知ってから1年間」とは、民法のルールです。

つまり、無効となった場合、民法の原則に立ち返り、買主Bが行う契約不適合の旨の通知期間は「買主が契約不適合を知ってから1年間」となるということです。

担保責任の特約制限(宅建業法)

宅建業法における「担保責任の特約制限」に関する問題です。これを理解する為には、民法の契約不適合責任をまず頭に入れる必要があります。

民法の契約不適合責任

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、 買主は、その不適合を理由として、①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除をすることができくなります

つまり、売主が、契約内容に適合しない不動産を引渡した場合、買主は不適合を知ってから1年以内に「この部分が不適合ですよ!」と通知しないと、買主は、売主に対して責任追及できなくなる(①~④の権利を行使できなくなる)ということです。

宅建業法の担保責任の特約制限

宅建業法では、売主が宅建業者・買主が非宅建業者の場合、契約不適合に関する通知期間を「その目的物の引渡しの日から2年以上となる特約」は許される(有効)が、それ以外の特約については、民法の契約不適合責任の規定より買主に不利となる特約をしてはならない(無効となる)としています。

無効となった場合、民法の原則に立ち返り、 買主は、売主業者に対して、契約不適合に関する通知期間は「契約不適合を知ってから1年以内」に行えばよいことになります。

【具体例】

宅建業者が自ら売主として宅建業者でない者に対して建物を販売した場合、契約不適合責任の通知期間を

  • 引き渡しの日から1年と特約した場合⇒無効⇒民法の原則に戻って、買主の通知期間は「買主が契約不適合を知った時から1年」となる
  • 引き渡しの日から2年と特約した場合⇒有効
  • 引き渡しの日から3年と特約した場合⇒有効
  • 買主が契約不適合を知った日から6か月とする特約をした場合⇒無効⇒民法の原則に戻って、買主の通知期間は「買主が契約不適合を知った時から1年」となる
  • 買主が契約不適合を知った日から1年とする特約をした場合⇒有効(民法通りだから)
  • 買主が契約不適合を知った日から1年半とする特約をした場合⇒有効(民法より買主に有利だから)
  • 買主が契約不適合を知った日から2年とする特約をした場合⇒有効(民法より買主に有利だから)

また、特約で、「契約不適合がある場合、買主は損害賠償請求のみできる」とした場合、民法(①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除ができる)よりも不利になるので、無効となり、民法通り、「①履行追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求及び④契約解除」ができるとなる。
※ 民法上、買主に帰責事由がある場合、①②④はできない
※ 民法上、売主に帰責事由がない場合、③はできない


平成22年・2010年の過去問

問1 制限行為能力者 1 2 3 4
問2 1 2 3 4
問3 時効 1 2 3 4
問4 物権変動 1 2 3 4
問5 1 2 3 4
問6 債務不履行 1 2 3 4
問7 債権者代位 1 2 3 4
問8 1 2 3 4
問9 判決文(解除) 1~4
問10 相続/遺言 1 2 3 4
問11 1 2 3 4
問12 1 2 3 4
問13 区分所有法 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 国土利用計画法 1 2 3 4
問16 1 2 3 4
問17 都市計画法/開発許可 1 2 3 4
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 建築基準法 1 2 3 4
問20 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問21 土地区画整理法 1 2 3 4
問22 1 2 3 4
問23 贈与税 1 2 3 4
問24 不動産取得税 1 2 3 4
問25 不動産鑑定評価基準 1 2 3 4
問26 免許の要否 1 2 3 4
問27 免許の基準 1 2 3 4
問28 免許その他 1 2 3 4
問29 業務上の規制 1 2 3 4
問30 1 2 3 4
問31 営業保証金 1 2 3 4
問32 広告
問33 媒介契約 1 2 3 4
問34 35条書面・37条書面 1 2 3 4
問35 35条書面 1 2 3 4
問36 35条書面 1 2 3 4
問37 37条書面 1 2 3 4
問38 クーリングオフ 1 2 3 4
問39 8種制限 1 2 3 4
問40 8種制限 1 2 3 4
問41 手付金等の保全措置
問42 報酬 1 2 3 4
問43 保証協会 1 2 3 4
問44 監督処分 1 2 3 4
問45 住宅瑕疵担保履行法 1 2 3 4
問46 住宅金融支援機構 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 1 2 3 4