平成22年 問6-2 債務不履行(改正)
両当事者が損害の賠償につき特段の合意をしていない場合において、債権者は、特別の事情によって生じた損害のうち、契約締結当時、両当事者がその事情を予見していたものに限り、賠償請求できる。
両当事者が損害の賠償につき特段の合意をしていない場合において、債権者は、特別の事情によって生じた損害のうち、契約締結当時、両当事者がその事情を予見していたものに限り、賠償請求できる。
【解答】
×
特別事情によって生ずべき損害 → 予見すべきであった損害については賠償できる=予見していたものだけでなく、予見していなかったとしても、予見すべきものは損害賠償請求の対象
【解説】
本問は、「通常事情によって生ずべき損害」「特別事情によって生じた損害」の違いについても問題です。
「両当事者がその事情を予見していたものに限り」という記述が誤りです。
予見できなくても、「予見すべきであったもの」は「特別事情によって生じた損害」として損害賠償の対象です。
損害賠償の範囲
例えば、
①Aが自己所有の土地を宅建業者Bとの間で2000万円で売却する契約を締結した。
②その後、宅建業者Bが、Cとの間で当該土地を3000万円で売却し、違約金を100万円とする契約を締結した。
③その後、Aが、宅建業者Bに引き渡す前に、当該土地を第三者Dに売却して、移転登記をした。
そのため、①②の売買契約は履行不能となり、
Cが、BC間の売買契約を解除し、Cが宅建業者Bに対して違約金100万円を請求した。
この場合、BがAに対して有する損害賠償の範囲はどうなるか?
通常の事情によって生ずべき損害について
まず、Aの債務不履行により、Bは、転売利益1000万円(3000万円-2000万円)を失っています。
これは、明らかに、Aの債務不履行が原因で失った利益であり、Aの債務不履行と因果関係あるので通常生ずべき損害に含まれます。
つまり、宅建業者BはAに対して、1000万円の損害賠償請求ができます。
特別な事情によって生じた損害について
ところで、宅建業者Bは、Cに対して違約金100万円を支払うことになります。
Bは、Aに対して、この違約金まで損害賠償請求できるか?
この判断基準は予見すべきであったかどうかで判断します。
例えば、宅建業者BがAに対して「BC間の違約金は100万円」と告げていれば、予見すべきであったと考えられ、「特別な事情によって生じた損害」に含み、宅建業者BはAに対して賠償請求できます。
一方、宅建業者BがAに対して「BC間の違約金を告げていなかったり」「違約金の額が、2000万円といった、普通では考えられない額の違約金であった場合」は、予見すべきでないとして、賠償請求はできません。
(「予見すべき」とはどういうことか? 上記事例では、なかなか判断が難しいので深く考える必要はありません。)
平成22年・2010年の過去問
問1 | 制限行為能力者 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 代理 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問3 | 時効 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問4 | 物権変動 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問5 | 抵当権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問6 | 債務不履行 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問7 | 債権者代位 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問8 | 保証 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問9 | 判決文(解除) | 1~4 | |||
問10 | 相続/遺言 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問11 | 借地権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問12 | 借家権 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問13 | 区分所有法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問14 | 不動産登記法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問15 | 国土利用計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問16 | 都市計画法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問17 | 都市計画法/開発許可 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問18 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問19 | 建築基準法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問20 | 宅地造成等規制法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問21 | 土地区画整理法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問22 | 農地法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問23 | 贈与税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問24 | 不動産取得税 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問25 | 不動産鑑定評価基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問26 | 免許の要否 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問27 | 免許の基準 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問28 | 免許その他 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問29 | 業務上の規制 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問30 | 取引士 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問31 | 営業保証金 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問32 | 広告 | ア | イ | ウ | |
問33 | 媒介契約 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問34 | 35条書面・37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問35 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問36 | 35条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問37 | 37条書面 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問38 | クーリングオフ | 1 | 2 | 3 | 4 |
問39 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問40 | 8種制限 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問41 | 手付金等の保全措置 | ア | イ | ウ | エ |
問42 | 報酬 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問43 | 保証協会 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問44 | 監督処分 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問46 | 住宅金融支援機構 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問47 | 不当景品類及び不当表示防止法 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問48 | 統計 | ||||
問49 | 土地 | 1 | 2 | 3 | 4 |
問50 | 建物 | 1 | 2 | 3 | 4 |