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【問題】
Ａの抵当権設定登記があるＢ所有の建物の賃料債権について、Ａが当該建物に抵当権を実行していても、当該抵当権が消滅するまでは、Ａは当該賃料債権に物上代位することができる。

 

【解答】
○

抵当権が実行されている場合でも、抵当権が消滅するまで（競売による配当を受けるまで）は、賃料債権に対して抵当権を行使することができる

【解説】

「抵当権が実行されている場合でも、抵当権が消滅するまでは、賃料債権に対して抵当権を行使することができる」とはどういうことかを解説します。

まず、抵当権を実行するとは、競売の申立をして、債権（例えば貸したお金）を回収することです。

そして、問題文はどういうことを言っているのかを具体的に解説します。

ＡがＢに対して1000万円を貸し、返済されないと困るので、Ｂ所有の建物に抵当権を設定してもらったとします。（Ａは貸金債権を有する）

今回、この建物は賃貸しているので、この建物から「賃料債権」が生まれています。

そして、債務者Ｂがお金を返さず、債務不履行となったので、抵当権者Ａが競売の申立をしたわけです。

競売の申立をしてもすぐに、買受人が見つかるわけではなく、一定の手続きを踏むので数か月かかります。

その間、抵当権者Ａは「賃料」からお金の回収を図ることもできるというのが本問の内容です。

つまり、競売を進めながら、同時に賃料から弁済を受けることも可能か？という質問内容です。

そして、結論は、「抵当権が実行されている場合でも、抵当権が消滅（競売による配当を受けるまで）するまでは、賃料債権に対して抵当権を行使することができる」ので、物上代位は可能ということです。このルールはそのまま覚えれば大丈夫です。ただ、問題文が上記のことを言っていることは理解していただきたいので、本問は問題文の理解の方が重要です。