独学合格プログラム

平成27年 問11-4 借家権

【問題】
AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した場合にして、AB間の賃貸借契約がBの賃料不払を理由として解除された場合、BはAに対して、Aの同意を得てBが建物に付加した造作の買取りを請求することはできない。

 

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【問題】
AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した場合にして、AB間の賃貸借契約がBの賃料不払を理由として解除された場合、BはAに対して、Aの同意を得てBが建物に付加した造作の買取りを請求することはできない。

 

【解答】

造作買取請求権:賃借人に債務不履行(賃料不払い)や背信行為があって賃貸借が解除されたような場合に造作買取請求権は行使できない

【解説】

造作とは、簡単に言えば、畳やふすま、エアコンなどの建物の設備等を言います。
借主がオーナー(貸主)に対して「エアコン付けさせてください!」と言って、「いいですよ!」と同意を得てエアコンを設置した場合、借家契約が修了する際に、エアコンを買い取ってもらえる権利があります。これが造作買取請求権です!
造作請求権とは、「賃貸人の同意を得て付加した造作」について、期間満了または解約申入れによって賃貸借契約が終了するとき、賃貸人に対して、造作を時価で買い取るよう請求することができる権利のことです。

ただし、賃借人に債務不履行(賃料不払い)や背信行為があって賃貸借が解除されたような場合に造作買取請求権は行使できません。

したがって、本問は正しいです。

▼造作買取請求権では建物を留置できない

そして、判例によると造作買取請求権に基づいて建物を留置することはできません。つまり、賃借人Bが賃貸人Aの同意を得て造作した費用について賃貸人Aが弁済しなかったとしても、「弁済をしていないから建物を明け渡しません!」と言って賃借人は建物の明け渡しを拒むことはできません。これは判例ですが、このまま覚えたほうが効率的です。下表の4つは覚えましょう!

▼造作買取請求権の排除

造作買取請求権は、普通建物賃貸借契約だけでなく、定期建物賃貸借においても、当事者間の特約で排除することができます。

一方、建物買取請求権は、特約によって排除することができないので注意しましょう!

この違いについては、造作というと、エアコンなど建物に付加された物です。これは取り外しができるので、賃借人は自分で持って帰えることができます。

一方、借地権が消滅したからといって、建物を別の土地に持っていくことはできません。

そのため、建物買取請求権は特約によっても排除できないようになっています。

上記のようなイメージを持てば頭に入れやすいでしょう。

留置できる場合

必要費・有益費の 償還請求権
  • 必要費:物を保存・管理するための費用で、現状の建物価値を維持するための費用 例)雨漏りの修繕、備付け給湯器などの修繕
  • 有益費:物件の価値を増加させる費用 例)クロスの張り替え、トイレのウォシュレットへの変更など
必要費・有益費の償還請求権に基づいて建物を留置することができる。 ただし、賃借人が家賃滞納など債務不履行によって契約解除された場合は、解除後に支出した必要費・有益費の償還請求権を理由に建物を留置できない。解除前の支出した必要費・有益費の場合、この償還請求権を理由に建物を留置できる。
建物の買取請求権 建物の買取請求権に基づいて、建物だけでなく、借地の土地についても、留置権を主張できる。

留置できない場合

造作買取請求権 ■造作:建物に付加された物で、賃借人の所有に属し、かつ、建物の使用に客観的に便益を与えるもの 例)畳や建具、雨戸など 上記について、「有益費」と「造作」ついては、区別が難しい部分があります。 覚えるべき点は、「必要費」「有益費」について留置権が認められているが「造作買取請求権」については建物についての留置権が認められないということです。
敷金返還請求権 敷金返還請求権は建物の明渡し時に発生するので、敷金返還請求権に基づいて建物を留置することはできない。


平成27年・2015年の過去問

問1 民法の条文 1 2 3 4
問2 虚偽表示 1 2 3 4
問3 1 2 3 4
問4 時効 1 2 3 4
問5 占有 1 2 3 4
問6 抵当権 1 2 3 4
問7 抵当権 1 2 3 4
問8 同時履行の抗弁権
問9 判決文 1 2 3 4
問10 相続 1 2 3 4
問11 借家権 1 2 3 4
問12 借家権 1 2 3 4
問13 区分所有法 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 1 2 3 4
問16 都市計画法 1 2 3 4
問17 建築基準法 1 2 3 4
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問20 土地区画整理法 1 2 3 4
問21 1 2 3 4
問22 農地法 1 2 3 4
問23 贈与税・相続時精算課税制度 1 2 3 4
問24 固定資産税 1 2 3 4
問25 地価公示法 1 2 3 4
問26 免許の要否
問27 免許の基準 1 2 3 4
問28 媒介契約
問29 重要事項説明 1 2 3 4
問30 媒介契約
問31 重要事項説明
問32 重要事項説明 1 2 3 4
問33
問34 8種制限 1 2 3 4
問35 取引士 1 2 3 4
問36 8種制限
問37 業務上の規制 1 2 3 4
問38 37条書面
問39 8種制限 1 改正民法に伴い削除 3 4
問40 8種制限
問41 業務上の規制
問42 営業保証金・保証協会 1 2 3 4
問43 監督処分 1 2 3 4
問44 案内所 1 2 3 4
問45 住宅瑕疵担保履行法 1 2 3 4
問46 住宅金融支援機構 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4