独学合格プログラム

平成24年 問1-3 意思表示 虚偽表示

【問題】
民法第94条第2項は、相手方と通じてした虚偽の意思表示の無効は「善意の第三者に対抗することができない。」と定めている。Aが所有する甲土地につき、AとBが通謀の上で売買契約を仮装し、AからBに所有権移転登記がなされた場合に、Bが甲土地の所有権を有しているものと信じてBに対して金銭を貸し付けたCは「第三者」に該当する。

 

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【問題】
民法第94条第2項は、相手方と通じてした虚偽の意思表示の無効は「善意の第三者に対抗することができない。」と定めている。Aが所有する甲土地につき、AとBが通謀の上で売買契約を仮装し、AからBに所有権移転登記がなされた場合に、Bが甲土地の所有権を有しているものと信じてBに対して金銭を貸し付けたCは「第三者」に該当する。

 

【解答】
×

単にお金を貸しただけの債権者は虚偽表示における第三者に該当しない

【解説】

H24-1-3

① 虚偽表示でAがBに甲土地の所有権を移転

② Cは「Bが土地を持っていることを信じて」Bにお金を貸した

虚偽表示は「当事者間では」無効となります。

つまり、AB間(当事者間の土地の売買契約は無効なります。

ただし、この状況から第三者が現れた場合は、次のルールが適用されます。

「善意の第三者は保護される(虚偽表示による無効を善意の第三者には対抗できない)」

ここで、質問内容はCは上記第三者に該当するか?ということです。

民法94条2項の「第三者」とは「虚偽の意思表示の当事者またはその一般承継人以外の者で、虚偽表示の目的につき新たに法律上利害関係を有するに至った者」をいいます。

ここで、本問のCはBにお金を貸しただけで、甲土地の抵当権を取得したり、差し押さえたりしていません

つまり、AB間の虚偽表示の目的物である甲土地に何等関与していません。

したがって、「法律上利害関係を有するに至った者」とまでは言えません。それゆえ、Cは第三者に該当しません。

差し押さえをしていないもの=第三者ではない!

とうことです!

虚偽表示の第三者に該当する者としない者

虚偽表示の第三者とは、「偽表示の外形について新たな独立の法律上の利害関係を有するに至った者」を言い、簡単にいうと、虚偽表示後に新たに契約等をして利害関係を持った者と言うイメージです。

ただ、これを覚えても中々ここから第三者を導くのは難しいので、「虚偽表示の第三者に該当する者」と「該当しない者」を覚えた方がよいでしょう。

   
虚偽表示の第三者に該当する者 虚偽表示の第三者に該当しない者
  • 不動産の仮装譲受人から、さらに譲り受けた者
  • 不動産の仮装譲渡の第三者(上記1の人)から譲り受けた転得者
  • 不動産の仮装譲受人から抵当権を取得した者
  • 仮装の抵当権者からの転抵当権者
  • 虚偽表示の目的物の差押さえ債権者 (※ 一般債権者は『第三者』には含まれない)
  • 仮装債権(ウソの貸し借りで生じた債権)の譲受人
  • 1番抵当権が仮装放棄され、順位が上昇した2番抵当権者
  • 代理人や法人の理事が虚偽表示した場合の本人や法人
  • 債権の仮装譲受人から取立ての為に、債権を譲り受けた者
  • 仮装譲受人の一般債権者
  • 仮装譲渡された債権の債務者
  • 土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人


平成24年・2012年の過去問

問1 1 2 3 4
問2 代理 1 2 3 4
問3 民法の条文 1 2 3 4
問4 代理 1 2 3 4
問5 判決文 改正民法により削除
問6 1 2 3 4
問7 抵当権 1 2 3 4
問8 債務不履行 1 2 3 4
問9 使用者責任 1 2 3 4
問10 相続 1 2 3 4
問11 借地権 1 2 3 4
問12 借家権 1 2 3 4
問13 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 国土利用計画法 1 2 3 4
問16 1 2 3 4
問17 開発許可
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 建築基準法 1 2 3 4
問20 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問21 1 2 3 4
問22 農地法 1 2 3 4
問23 所得税 1 2 3 4
問24 1 2 3 4
問25 不動産鑑定評価基準 1 2 3 4
問26 免許の基準 1 2 3 4
問27 免許の要否 1 2 3 4
問28 業務上の規制
問29 媒介契約 1 2 3 4
問30 重要事項説明 1 2 3 4
問31 37条書面 1 2 3 4
問32 35条書面/37条書面 1 2 3 4
問33 営業保証金 1 2 3 4
問34 手付金等の保全措置
問35 報酬
問36 取引士 1 2 3 4
問37 クーリングオフ 1 2 3 4
問38 損害賠償額の予定等
問39 瑕疵担保責任の特約制限 1 2 3 4
問40 業務上の規制
問41 業務上の規制
問42 案内所
問43 1 2 3 4
問44 監督処分 1 2 3 4
問45 1 2 3 4
問46 住宅金融支援機構 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4