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平成27年 問2-1 意思表示 虚偽表示

【問題】
Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。善意のCがBから甲土地を買い受けた場合、Cがいまだ登記を備えていなくても、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。

 

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【問題】
Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。善意のCがBから甲土地を買い受けた場合、Cがいまだ登記を備えていなくても、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。

 

【解答】
○ 虚偽表示 : 善意の第三者は、当事者(AおよびB)に対抗できる

【解説】

宅建過去問・平成27年問2-1 意思表示・虚偽表示の解説図

まず、問題文の状況と質問内容を確認します。

「Aは、・・・Bと通謀して、・・・仮装の売買契約を締結した」という記述から、「A→B」という風に描き、虚偽表示(仮装譲渡)であることが分かります。

次に、「善意のCがBから甲土地を買い受けた。Cがいまだ登記を備えていない」という記述から、「B→C」という風に描き、Cは「善意で未登記」であることが分かります。

そして、質問内容は「AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない」〇か×か?です。

ここから、解説に入ります。

通謀虚偽表示(ウソの契約)を行うと、当事者間(AB間)の契約は無効です。

虚偽表示の第三者については、善意であれば、保護され、Aは「善意の第三者」に対して無効を主張できません。

では、「虚偽表示の第三者」とは誰か?ここは難しいのですが、判例では以下のように言っています。

虚偽表示の当事者およびその包括承継人以外の者であって、虚偽表示の外形について新たな独立の法律上の利害関係を有するに至った者

「包括承継人」とは、相続人と考えてください。

虚偽表示の外形について新たな独立の法律上の利害関係を有するに至った者」とは、虚偽表示後に新たに契約等をして利害関係を持った者と言うイメージです。

ただ、これを覚えても中々ここから第三者を導くのは難しいので、「虚偽表示の第三者に該当する者」と「該当しない者」を覚えた方がよいでしょう。

本問のCは、虚偽表示後、Bから土地を購入した者(下表①参照)なので、「虚偽表示の第三者」に該当します。

つまり、Cは善意でありさえすれば、Cは当事者(A・B)に対抗できます。Cは未登記でも有過失でも関係ありません!

したがって、本問ではCは善意なので、CはAに対抗できます(所有権を主張できます)。

言い換えると、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができないので本問は正しいです。

虚偽表示

当事者間 当事者間の契約(意思表示)は「無効」
第三者との関係 第三者が善意 第三者は当事者に対抗できる =第三者は当事者に所有権を主張できる =当事者は第三者に対して無効を主張できない
第三者が悪意 当事者は第三者に対抗できる

虚偽表示の第三者に該当する者としない者

虚偽表示の第三者とは、「偽表示の外形について新たな独立の法律上の利害関係を有するに至った者」を言い、簡単にいうと、虚偽表示後に新たに契約等をして利害関係を持った者と言うイメージです。

ただ、これを覚えても中々ここから第三者を導くのは難しいので、「虚偽表示の第三者に該当する者」と「該当しない者」を覚えた方がよいでしょう。

   
虚偽表示の第三者に該当する者 虚偽表示の第三者に該当しない者
  • 不動産の仮装譲受人から、さらに譲り受けた者
  • 不動産の仮装譲渡の第三者(上記1の人)から譲り受けた転得者
  • 不動産の仮装譲受人から抵当権を取得した者
  • 仮装の抵当権者からの転抵当権者
  • 虚偽表示の目的物の差押さえ債権者 (※ 一般債権者は『第三者』には含まれない)
  • 仮装債権(ウソの貸し借りで生じた債権)の譲受人
  • 1番抵当権が仮装放棄され、順位が上昇した2番抵当権者
  • 代理人や法人の理事が虚偽表示した場合の本人や法人
  • 債権の仮装譲受人から取立ての為に、債権を譲り受けた者
  • 仮装譲受人の一般債権者
  • 仮装譲渡された債権の債務者
  • 土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人


平成27年・2015年の過去問

問1 民法の条文 1 2 3 4
問2 虚偽表示 1 2 3 4
問3 賃貸借・使用貸借 1 2 3 4
問4 時効 1 2 3 4
問5 占有 1 2 3 4
問6 抵当権 1 2 3 4
問7 抵当権 1 2 3 4
問8
問9 判決文 1 2 3 4
問10 相続 1 2 3 4
問11 借家権 1 2 3 4
問12 借家権 1 2 3 4
問13 区分所有法 1 2 3 4
問14 不動産登記法 1 2 3 4
問15 都市計画法 1 2 3 4
問16 都市計画法 1 2 3 4
問17 1 2 3 4
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 1 2 3 4
問20 1 2 3 4
問21 1 2 3 4
問22 農地法 1 2 3 4
問23 ・相続時精算課税制度 1 2 3 4
問24 固定資産税 1 2 3 4
問25 地価公示法 1 2 3 4
問26 免許の要否
問27 免許の基準 1 2 3 4
問28 媒介契約
問29 重要事項説明 1 2 3 4
問30 媒介契約
問31 重要事項説明
問32 重要事項説明 1 2 3 4
問33
問34 8種制限 1 2 3 4
問35 取引士 1 2 3 4
問36 8種制限
問37 業務上の規制 1 2 3 4
問38 37条書面
問39 8種制限 1 改正民法に伴い削除 3 4
問40 8種制限
問41 業務上の規制
問42 ・保証協会 1 2 3 4
問43 監督処分 1 2 3 4
問44 案内所 1 2 3 4
問45 住宅瑕疵担保履行法 1 2 3 4
問46 住宅金融支援機構 1 2 3 4
問47 不当景品類及び不当表示防止法 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 1 2 3 4