独学合格プログラム

平成27年 問2-2 意思表示 虚偽表示

【問題】
Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。善意のCが、Bとの間で、Bが甲土地上に建てた乙建物の賃貸借契約(貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。

 

>解答と解説はこちら

【問題】
Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。善意のCが、Bとの間で、Bが甲土地上に建てた乙建物の賃貸借契約(貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。

 

【解答】
× 土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人は虚偽表示の第三者に該当しない

【解説】

H27-2-21

問題文の時系列を考えます。①AB間で甲土地の仮装譲渡があり、その後②Bが甲土地上に乙建物を建築し、その後、③Bが乙建物をCに賃貸するという流れです。ちなみに、「Cは善意」です。

質問内容は「AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。 」〇か×か?

ここで、Cが虚偽表示の第三者に該当するかどうかがポイントです。

結論から言うと、土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人C」は第三者に当たりません

ここで、通謀虚偽表示は原則、無効です。
つまり、AB間の契約が無効となります。

今回、Cは第三者に該当しないので、Cは保護されないです。
したがって、Cは所有権を主張できません。
言い換えればAはCに対しても無効を主張することができるわけです。
したがって、 「AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができる」ので、本問は誤りです。

▼詳細解説

土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人C」は第三者該当しない。

これは、そのまま覚えた方が効率的なので下記解説は覚える必要はありませんが、一応、考え方を解説します。

通謀虚偽表示により無効とされているのは「甲土地」の売買です。「乙建物の所有権自体」は仮装ではありません。そのため、「事実上」は利害関係があります(何らかの利害関係はある)が、「法律上」は利害関係がない(土地に関して契約していないため、土地については利害関係はない)ので、第三者にあたりません。

難しいので「土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人Cは第三者に該当しない」と覚えればよいでしょう!

当事者間 当事者間の契約()は「無効」
第三者との関係 第三者が善意 第三者は当事者に対抗できる =第三者は当事者に所有権を主張できる =当事者は第三者に対して無効を主張できない
第三者が悪意 当事者は第三者に対抗できる

虚偽表示の第三者に該当する者としない者

虚偽表示の第三者とは、「偽表示の外形について新たな独立の法律上の利害関係を有するに至った者」を言い、簡単にいうと、虚偽表示後に新たに契約等をして利害関係を持った者と言うイメージです。

ただ、これを覚えても中々ここから第三者を導くのは難しいので、「虚偽表示の第三者に該当する者」と「該当しない者」を覚えた方がよいでしょう。

   
虚偽表示の第三者に該当する者 虚偽表示の第三者に該当しない者
  • 不動産の仮装譲受人から、さらに譲り受けた者
  • 不動産の仮装譲渡の第三者(上記1の人)から譲り受けた転得者
  • 不動産の仮装譲受人から抵当権を取得した者
  • 仮装の抵当権者からの転抵当権者
  • 虚偽表示の目的物の差押さえ債権者 (※ 一般債権者は『第三者』には含まれない)
  • 仮装債権(ウソの貸し借りで生じた債権)の譲受人
  • 1番抵当権が仮装放棄され、順位が上昇した2番抵当権者
  • 代理人や法人の理事が虚偽表示した場合の本人や法人
  • 債権の仮装譲受人から取立ての為に、債権を譲り受けた者
  • 仮装譲受人の一般債権者
  • 仮装譲渡された債権の債務者
  • 土地が仮装譲渡された場合の土地上の建物の賃借人


平成27年・2015年の過去問

問1 民法の条文 1 2 3 4
問2 虚偽表示 1 2 3 4
問3 賃貸借・使用貸借 1 2 3 4
問4 時効 1 2 3 4
問5 占有 1 2 3 4
問6 抵当権 1 2 3 4
問7 抵当権 1 2 3 4
問8 同時履行の抗弁権
問9 1 2 3 4
問10 相続 1 2 3 4
問11 借家権 1 2 3 4
問12 借家権 1 2 3 4
問13 区分所有法 1 2 3 4
問14 1 2 3 4
問15 都市計画法 1 2 3 4
問16 都市計画法 1 2 3 4
問17 1 2 3 4
問18 建築基準法 1 2 3 4
問19 宅地造成等規制法 1 2 3 4
問20 土地区画整理法 1 2 3 4
問21 国土利用計画法 1 2 3 4
問22 農地法 1 2 3 4
問23 贈与税・ 1 2 3 4
問24 固定資産税 1 2 3 4
問25 地価公示法 1 2 3 4
問26
問27 1 2 3 4
問28 媒介契約
問29 重要事項説明 1 2 3 4
問30 媒介契約
問31 重要事項説明
問32 重要事項説明 1 2 3 4
問33 報酬計算
問34 8種制限 1 2 3 4
問35 取引士 1 2 3 4
問36 8種制限
問37 業務上の規制 1 2 3 4
問38 37条書面
問39 8種制限 1 改正民法に伴い削除 3 4
問40 8種制限
問41 業務上の規制
問42 営業保証金・保証協会 1 2 3 4
問43 監督処分 1 2 3 4
問44 案内所 1 2 3 4
問45 住宅瑕疵担保履行法 1 2 3 4
問46 1 2 3 4
問47 1 2 3 4
問48 統計
問49 土地 1 2 3 4
問50 建物 1 2 3 4